内容説明
竹久夢二、松本かつぢ、中原淳一、内藤ルネ、水森亜土、田村セツコ、わたなべまさこ、高橋真琴…を経て、サンリオのグッズが流通するようになった頃から、日本国中がカワイイものにうめつくされるようになった!世界のkawaiiとなった、ファンシー・グッズ満載。
目次
第1章 大正ロマンの世界に「可愛い」が芽生える―大正~昭和初年代(竹久夢二;便箋・絵封筒・絵世書 ほか)
第2章 「可愛いは禁止!」の時代だったけれど…―昭和一〇~二〇年頃(松本かつぢ;佐藤漾子 ほか)
第3章 日本経済とともに「かわいい」も成長―昭和二〇~四〇年代(蔦谷喜一;中原淳一 ほか)
第4章 日本の「カワイイ」が世界の「kawaii」へ―昭和五〇年代~(少女たちの証言10 昭和四〇年生まれ;少女たちの証言11 昭和四五年生まれ ほか)
第5章 少女付録の歴史(大正末~昭和初年代;昭和二〇~三〇年代 ほか)
著者等紹介
中村圭子[ナカムラケイコ]
1956年生まれ。中央大学文学部哲学科心理学専攻卒業。1984年より現職。現在、弥生美術館学芸員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yomineko@猫と共に生きる
62
もう夢中で読んだ。昔の可愛いはおしゃれ度合いがかなり濃くて今とは違う。かわいいの始まりは竹久夢二さん!かつて少女だった方々のインタビューが凄く良かった。戦時中もかわいいを忘れなかった女性達。生活を工夫してかわいいを取り入れていた。モノやかわいいが溢れかえる現代とは違ってそれはもう心地よいものだっただろう。松本かづちさんのクルミちゃんシールが欲しい!2022/10/30
ヒロミ
58
【読メ乙女部】今や日本を代表する一大カルチャーとなった「カワイイ」の歴史を大正から平成まで振り返る本。大正〜平成生まれの女性たちが各人のカワイイに纏わる想い出を語るコメントが味わい深い。カワイイ文化享受にも地域格差や貧富の差は避けられなかったのだなあとしみじみした。竹久夢二から中原淳一、内藤ルネ、高橋真琴、サンリオに少女雑誌の付録…自分と同年代の女性のコメントでは懐かしさに頷いてしまった。私は一人っ子だったので幼い頃人形やぬいぐるみなどのカワイイものたちに随分慰められてきた。ファンシーは永遠に不滅です。2016/09/06
みかん🍊
52
大正ロマンの竹下夢二、小林かいちから昭和の内藤ルネ、水森亜土、高橋真琴等イラスト、ファンシーグッズ可愛いがいっぱい。今あらためて見るとまた素敵です。こんな「kawaii」を男性イラストレーターも作り出していたのは凄いですね。そういえば2,3年前に行った内藤ルネ展のグッズがすごく懐かし可愛かったのを思い出しました。この本を読んでから行ったらもっと楽しめたな。2014/05/24
あじ
52
"KARAOKE"は日本発の世界共通語となった。その背を追いかけるのが"Kawaii"と言っても過言ではない。外国に憧れていた日本が世界の国々の憧れの的になって行く歩みを、当時の少女たちの証言を交えクローズアップする。夢二に松本かつぢ、ぬりえの喜一、中原淳一、内藤ルネ、水森亜土…とバトンが渡されてゆく。当時物のグッズをカラー写真豊富に伝える。『少女雑誌付録コレクション』で取り上げられたアーティストと被るので、合わせて読めば数倍楽しめる。日本の"Kawaii"は脈々とDNAに受け継がれているに違いない。2014/05/21
ヒロミ
46
【読メ乙女部リターン】日本のカワイイ文化の歴史がぎっしり詰まった本。カワイイものは元気をくれる大切なサプリ。本書でも紹介されているレトロカワイイ雑貨ショップ「スイマー」の閉店が心底無念でならない。あのショップこそ現代のカワイイの牙城、憩いの場であったのに!2017/09/16