内容説明
短歌・俳句に代表される定型詩の魅力の根源は何か?五音と七音の組み合わせによる、一見単純な、だが玄妙な日本語の音楽性をさぐる。
目次
いのちとリズム
素人の古典まなびの七五調
七五調は四拍子
陥穽の韻律
定型のデザイン
定型について
音声律から音数律へ―ひとつの仮説
短歌・俳句と自由詩に関する断章
連句の復活とその将来
てんとう虫だましのサンバ―有季定型について
俳句の楽しさ
短歌は私の「彼」
短歌 その器を充たすもの―迢空晩年の歌論
民族文学としての記紀歌謡
定型と口語俳句(抄)
俳句と近代詩
形式より見たる俳句
芭蕉雑談(抄)―或問
俳諧大要(抄)―俳諧連歌
酷烈なる精神―新人諸君に
厄除け詩集(抄)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
袖崎いたる
4
短詩型文学っすわ。近・現代詩の自由律のものではなくね。歌人な私は定型の持つ魔力についてアンソロってくれてるとあれば気になってしまうわけですよ。序文が大岡信なのも結構重要で、大岡さんはリズム大事だよね〜って言ってる人だから、そのリズムに生命の奥義は宿るっていう文学論かましてもいるから、よけいに期待大。面白かったのは平井照敏から山本健吉そして折口信夫と遡るライン。そこで短歌の奥義は無内容への指向にあるって話がされてるのよ。迢空って名の歌人でもある折口さんも「よーするに歌って気分なんすわ」っつってて最高にクール2021/07/14