内容説明
恐怖の一番源にあるのは、暗闇が怖いとかヘビが怖いといった、単純な、何か本能的な怖さだと思う。でも、なぜそれが怖いのか。人間一人一人というより人類全体が感じる怖さがそこにあるということは、この世界が存在するとか、時間が流れるとかいうことに関わった大きな秘密があるんじゃないかと思いだした。幻想・SF・ロマン・怪奇・科学…あなたをホラー・ワールドがおそう。楳図かずおの初の恐怖論!
目次
1 世界と恐怖(変身の恐怖;改造の恐怖;始源のグロテスク;山の恐怖;生理的恐怖から心理的恐怖;夢;少年少女たち;学校;超自然の神秘;暴力;精神の危機;恐怖と笑い;世界の秘密;死と神;科学と知)
2 恐怖と未知=作品+ノート(『猫目小僧』ノート;『おろち』ノート;『イアラ』ノート;『Rojin』ノート;『Rojin』)
3 恐怖と交信=楳図かずおとは誰か
4 恐怖の表現(『神の左手悪魔の右手』のできるまで)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
34
伊藤潤二が刺激を受けた楳図かずお。蔵書から引っ張り出して読み直した。恐怖の心理を自作を通して論じている。さらに、自分のデビューからこの本が出た頃までを語る。挟まれるイラストや短編「ROJIN」もインパクトがある。作品を作り上げるまでのノートやラフスケッチを見ると、伊藤潤二のノートやラフスケッチがよく似ている。2018/05/25
電柱
0
楳図かずお先生ってテレビで見てるとエキセントリックな人だと思ってたけどすごく論理的で明晰な思考をする人なんだと、この本を読んで思った。2014/09/06
hikarunoir
0
貴重なインタビュー集。創作ノートや幻の短編も一部収録。