出版社内容情報
野川/辻/やすみしほどを(『やすらい花』より) 解説=町田康
ブロッホ、ムジールなどの翻訳を経て、作家に。『杳子』で芥川賞を受賞。『栖』で日本文学大賞を、『槿』で谷崎潤一郎賞を、『中山坂』で川端康成賞を受賞。『仮往生伝試文』で読売文学賞を受賞。
著者等紹介
古井由吉[フルイヨシキチ]
1937年11月19日東京都荏原区に生まれる。1954年日比谷高校の文学同人誌『驚起』に加わり、小説一篇を書く。1960年3月、東京大学文学部ドイツ文学科を卒業。4月、同大学大学院修士課程に進む。1962年3月、大学院修士課程を修了。4月、助手として金沢大学に赴任。1964年11月、岡崎睿子と結婚。1965年4月、立教大学に転任、教養課程でドイツ語を教える。1970年3月、立教大学を助教授で退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山がち
0
これで自撰集は一巻から一通り読んだことになるのだが、この巻ほど言葉が頭の中で像を結ばなかった巻はなかった。もはやページを繰るので精一杯であり、ただひたすら言葉を取りこぼさずにはいられなかった。ただ、再読に当たる「やすみしほどを」は他に比べればいくぶんかましであった。なんにせよ、贅沢な読書ではある。ところで、この独吟は一体どの時代に近いのか。宗祇の頃よりはやや俳諧に近づいているような気がするが、決して俳諧に近いとは思われない。あくまでも連歌の言葉であるように思われた。ただ少しのびのびとしているだけであって。2013/03/30