ハワーズ・エンド

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  • サイズ B6判/ページ数 499,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309709475
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

出版社内容情報

理想主義的なドイツ系姉妹と現実主義的なブルジョア一家が、ハワーズ・エンド邸をめぐり交流を深めていく。人と人とが真に理解しあうことはできるのか。愛と寛容をめぐる不朽の名作。

内容説明

人と人は真に理解しあうことができるのか。思慮深く理知的な姉マーガレットと、若くて美しく情熱的な妹ヘレン。ドイツ系の進歩的な知識人家庭で育った二人は、ある時まったく価値観の異なる保守的なブルジョワ一家と出会う。ふかい緑に囲まれた、この一家の邸ハワーズ・エンドをめぐって、やがて二つの家族は意外な形で交流を深めていく―文学や芸術に重きを置き、人生の意味を探し求める姉妹は、イギリス社会のさまざまな階層の人間に触れながら、それぞれの運命をたどっていくこととなる。人と人とが結びつき、お互いに理解しあうことはいかにして可能になるのか。愛と寛容をめぐる不朽の名作を、吉田健一の香気ある翻訳でおくる。

著者等紹介

フォースター,E.M.[フォースター,E.M.][Forster,E.M.]
1879年、ロンドン生まれ。ケンブリッジ大学在学中にG・L・ディキンソンらと交友を深め、後にブルームズベリー・グループへと発展する討論会「使徒団」に参加。卒業後、イタリアやギリシャを周遊。帰国後に短編やエッセイを雑誌に寄稿しはじめる。1905年『天使も踏むを恐れるところ』を発表。続いて、07年『果てしなき旅』、08年『眺めのいい部屋』、10年『ハワーズ・エンド』を発表し、作家の地位を確立する。24年、二度のインド訪問をもとに『インドへの道』を執筆。44年国際ペン・クラブ会長、46年キングス・カレッジの名誉特別研究員となり、70年に91歳で没するまでエッセイなどを発表しつづける

吉田健一[ヨシダケンイチ]
1912年、東京市生まれ。小説家、文芸評論家。著書に『ヨオロッパの世紀末』(野間文芸賞)など。1977年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

198
世界文学全集完読プロジェクト https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11684481?sort=book_count&order=desc 第七巻は、イギリス人作家フォースターの長編です。池澤夏樹は、書き出しをかなり褒めていますが、個人的には、最初から最後まで、あまりドラマもなく、ピンと来ませんでした。続いて第八巻へ。 https://www.kawade.co.jp/np/special/3677774465/2021/03/20

遥かなる想い

143
1910年代の英国の雰囲気が 満載の物語である。 姉マーガレットと妹ヘレンの視点が 興味深い。 ウィルコックス家と シュレガール家との 対比が テーマなのだろうが、ゆっくりとした 筆致は 著者らしい。 ハワーズ・エンドに建つ富豪の邸が象徴する ものと、姉妹の境遇とのズレ… 英国伝統の階級意識が 色濃い作品だった。2020/01/15

まふ

110
第1次世界大戦前の時期、ドイツ人の父親とイギリス人の母親との間に生まれた姉妹マーガレットとヘレンが生粋のイギリス人中産階級のウィルコックス一家と間に繰り広げる交流の顛末。ウィルコックス夫人ルースの死後マーガレットはウィルコックス氏と結婚するが、ヘレンが恋人のいるレオナードと「不倫」の関係に陥り事件が発生する…。全体として淡々と物語は進み大きな動きとはならずに500ページの物語が終わる。最初から最後までマーガレットのクリアな頭脳が光る。とはいうものの、もう一度読みたいとは思わない作品。G1000。2024/01/10

藤月はな(灯れ松明の火)

88
『天使が踏むを恐れるところ』同様、階級が違う者同士の埋められない理解への溝、逆に諦めから発生する理解への糸口を描いた作品。傘を忘れたレオナードに対してのヘレンの言葉やドイツから来て成り上がったヘンリーに対しての哀れみから結婚を決めたマーガレットには育ちの良さ故の無神経さを感じてイラッとすることもしばしば。しかし、ヘンリーが二号さんを持っていた事を理由づけつつ、婚前交渉を持ったヘレンを邪険にする場面には怒りの矛先がクルッと代わる現金さ^^;嫁入りしたマーガレットに相続権を与えないと宣言した時は遣る瀬無いな。2017/05/26

榊原 香織

68
家が本当の主人公、と言えなくもない。 とにかく土地に対するこだわりがかなり。 第1次大戦以前の裕福なイギリス人階級の話。 新しい女達、と言った感じの姉妹が主人公。 少し不思議な日本語だな、と思ったけど、慣れるとハマりそう2023/03/01

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