太平洋の防波堤・愛人ラマン・悲しみよこんにちは

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 600,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309709444
  • NDC分類 953
  • Cコード C0397

出版社内容情報

愛の本質を見つめつづけ、世界に大きな影響を与えた2人の女性作家。仏領インドシナを舞台に、美しい娘と彼女に焦がれる男の駆け引きを描いたデュラスの2作と、サガン衝撃のデビュー作。

内容説明

「太平洋の防波堤/愛人ラマン」―18歳でわたしは年老いた…仏領インドシナのけだるい風土で暮らす、貧しいフランス人入植者の家族を主人公に描かれる2つの物語。美しい娘と彼女に焦がれる裕福な男。『太平洋の防波堤』で執拗に描かれた恋愛未満の性の駆け引きが、『愛人ラマン』では「流れゆくエクリチュール」とともに性愛の高みへと変奏されていく。デュラスの2つの代表作。「悲しみよこんにちは」―その夏、私は17だった。そして私はまったく幸福だった…17歳の少女セシルは、父の愛人と自分の恋人を使って父の再婚相手を破滅へ追いやる。南仏の海岸を舞台に、少女の好奇心、独占欲、完璧なものへの反発、愛と孤独が描かれる衝撃のデビュー作。

著者等紹介

デュラス,マルグリット[デュラス,マルグリット][Duras,Marguerite]
1914‐1996。1914年仏領インドシナ(現在の南ヴェトナム)生まれ。パリで法学を学んだ後、ドイツ占領下の43年に初の小説『あつかましき人々』を発表、レジスタンス運動にも加わる。その後、50年『太平洋の防波堤』を皮切りに、58年『モデラート・カンタービレ』、64年『ロル・V・シュタインの歓喜』、69年『破壊しに、と彼女は言う』など話題作を矢継ぎ早に発表。84年『愛人ラマン』でゴンクール賞受賞。『インディア・ソング』『トラック』など自作を監督した映画も数多い

サガン,フランソワーズ[サガン,フランソワーズ][Sagan,Francoise]
1935‐2004。1935年フランス生まれ。富裕な家族とともにパリで育つ。1954年、19歳の時に『悲しみよこんにちは』でデビューし、一躍時代の寵児となる。その後、56年『ある微笑』、59年『ブラームスはお好き』、68年『優しい関係』、75年『絹の瞳』など、愛と孤独をテーマとする作品を次々に発表し、人気作家として活躍する一方、私生活でもさまざまな話題をふりまく。『スウェーデンの城』をはじめとする戯曲や、映画の脚本も手がけた

田中倫郎[タナカミチオ]
1930年、広島県生まれ。東京大学文学部美学科卒業。跡見学園女子大学文学部名誉教授

清水徹[シミズトオル]
1931年、東京都生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。フランス文学者・文芸批評家

朝吹登水子[アサブキトミコ]
1917年、東京都生まれ。女子学習院中退後渡仏し、ブッフェモン女学校およびパリ大学に学ぶ。2005年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

176
世界文学全集完読プロジェクト https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11684481?sort=book_count&order=desc  第四巻は、フランスを代表する二人の女性作家のコンビネーションでした。オススメは、【読メエロ部】的作品『愛人 ラマン』です。続いて第五巻へ。 https://www.kawade.co.jp/np/special/3677774465/2021/03/12

藤月はな(灯れ松明の火)

90
「太平洋の防波堤」のみ、読了。「愛人」同様、マグリット・デュラス自身の家庭環境が透徹とした文章で語られているため、所々、辛い。支那海を太平洋と見定めて浜辺近くの畑に塩害が起きないように防波堤作りに執着する愚かな母親に育てられたシュザンヌとジョゼフ。勉強嫌いのジョゼフに勉強させ、生計を立てるシュザンヌを「売女」として何度も殴りつける母の姿。ジョゼフが成長し、防衛できるようになった事を内心は喜んだ事と合わせると嫌悪感しか沸かない。閉じられた環境に居る女は何故、自分より、弱い存在を虐げるのか?しかし、最後は救い2017/03/07

naoっぴ

74
サガン「悲しみよこんにちは」を読了。なんという透明感か!ティーンエイジの危うさと繊細さに真夏の太陽の光がこれほど似合うとは。青い海、松林、船、陽の光に満ちた美しい景色の中、父と娘と、家族になるはずの女性と、それぞれの恋人たちのひと夏の物語。17歳のセシルの刹那的な考えとふとのぞく万能感、恋に恋する気持ち、どれをとってもキラキラと眩しく、サガンの感受性豊かな表現に惹きつけられた。抑制のきかない反発心は若々しくとても苦い。初めて知る喪失の悲しみのうしろに、大人に一歩近づいたセシルをみた。2019/06/05

naoっぴ

59
デュラス「太平洋の防波堤」を読了。文章が流れるままに読んでいくような物語だった。毎年高潮につかってしまう痩せた土地に住む一家の母、息子ジョゼフ、娘シュザンヌ三人の貧しい生活と恋。シュザンヌに寄ってくる男との恋の駆け引きの関係は官能的で美しい。けれど彼女の心の中ではどんな男よりも兄ジョゼフの存在の方が素晴らしく、誰も好きになれない。起きる出来事は曖昧でゆるゆると流れ、なんとなく過ぎてゆく日々が、どうにもできない貧しさと相まってやるせない気分になった。2021/04/25

syota

35
【愛人】[G1000]母親や交際相手をはじめ、周囲のすべて、自分自身さえも醒めた目で眺めている“わたし”が印象的だ。熟年女性が過去を振り返る一人称の文章と、少女時代の視点で語られる一人称の文章、それに三人称の文章が混在する独特の文体が、作品の雰囲気を決定づけている。【悲しみよこんにちは】[G1000]熱気、束縛に対する反発、心の揺れ、抑えの効かない暴走、若さゆえの残酷さ。“性的に奔放な10代女性”が主役という点では「愛人」と同じだが、内容は正反対だ。私としては若さがストレートに表現されているこちらが好み。2016/01/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/105046
  • ご注意事項