世界100物語〈4〉ロシアの光と影

世界100物語〈4〉ロシアの光と影

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  • サイズ B6判/ページ数 452p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309708744
  • NDC分類 908.3
  • Cコード C0397

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

95
モームの選んだ世界短編作品集のロシア編で16の作家によるものが収められています。私はトルストイとチェーホフ、ゴーリキイしか知りませんですが、作品は未読のものばかりです。トルストイの「イワン・イリイチの死」が面白さという点では楽しめました。他の作品は押しなべてロシアの大地の感じや帝政時代の人民の生活など非常に多彩な感じがしました。2018/04/28

藤月はな(灯れ松明の火)

81
二篇、既読。「かもじの美術家」は坊ちゃんと同じく、乳母が悲恋を経て、酒を呑まないと眠れない程の人生の無惨さへの哀切が沁みる。しかし、この当時から『戦艦ポチョムキン』で描かれたような権力に阿る宗教家への侮蔑があったんだな・・・。「百姓」は田舎に対する都会人の心変わりや田舎の人の都会人への憧れと妬みの描写が巧みだ。対して「日射病」は一度だけの火遊びのつもりが相手が謎めいた存在だったために生涯、囚われてしまう感じは『レイチェル』や『レベッカ』のよう。『ルィブニコフ二等大尉』は誤解が生む悲喜劇でコーエン兄弟っぽい2019/01/20

えちぜんや よーた

27
「イワン・イリイチの死」(P61)19世紀ロシア版の「闇金ウシジマくん」。 といっても、貸金業の話ではありません。 いわゆる「俗人」が、死に臨んで至るような精神世界の描写です。 主人公のイワン・イリイチは、 ・フーゾクくん(金銭欲) ・フリーターくん(自尊心、見栄) ・サラリーマンくん(家庭内の不和) ・トレンディーくん(過度の依存心) の精神を体現したような人物です。 ですが、ことごとく自分にも当てはまるから、 笑えるようで笑えません(泣) 2012/10/09

春ドーナツ

17
前略。初めて読む作家:レスコーフ、プーニン、クプリーン、イレーツキイ、ロマーノフ、グロッスン、ネヴェーロフ、インベル、ピリニャーク、バーベリ、イワーノフ、ペスコフ、カターエフ(種明かしをすれば、トルストイ、チェーホフ、ゴーゴリ以外の作家全員である) お気に入りの作品:「イワン・イリイチの死」(トルストイ) 革命前後の小説群が私のエアポケットであったことを知る機会となった。スターリン没後に名誉回復された方が何名もいらっしゃる。月並みだけれど、帝政時代の黄金文学は文学史における奇跡であったとつくづく実感する。2018/07/14

relaxopenenjoy

2
トルストイ、チェーホフ、ゴーリキー、グロスマン以外は知らなかった作家達の作品だが非常に読み応えあり。奥深いソヴィエト・ロシア文学の世界。以前から読みたかった「イワン・イリイチの死」(最後の最後が良かった!)はもちろん、かもじの美術家(非常に読みやすい)、二十六人の男と一人の娘(どんでん返し)、蜂蜜(切ない)、顧客(市の活況と後半の不気味さ)が個人的に良かった。「ベルディーチェフの町で」のみ再読だがやはり味わい深くていい短編。読みたい本がまた増えてしまった。2020/01/19

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