渋沢龍彦全集〈21〉

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渋沢龍彦全集〈21〉

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  • サイズ A5判/ページ数 489p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784309706719
  • NDC分類 918.68
  • Cコード C0395

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

erierif

11
花が咲く季節になって『フローラ逍遥』を読みたくてこの全集を借りた。水仙、梅、菫、金雀花、ライラック、桜など可憐な花についてうっとり読み終えた。『うつろ舟』は鎌倉綺譚集ともいうべき短篇。美人の首、髑髏の杯、妖しく悲しく堪能した。『私のプリニウス』ローマ時代のプリニウスの『博覧記』からここの部分は違うとか科学が無いにしてもここまで書くのはどうか…とちょっと批判的に始めるが、だんだん空想小説やプリニウススタイルとして楽しんだ。当時のインドや東洋やアフリカをは現代のSFなのかも。ワイエスの考察が素晴らしい。2015/05/02

梟をめぐる読書

11
1986年9月、澁澤龍彦は急遽発覚した咽頭癌のために手術を受け、永遠に声帯を失ってしまう。本巻の収録内容は、まさにその直前までの文章を集めたもの。『うつろ舟』は、鎌倉の地理と歴史に取材した〝鎌倉綺譚集〟ともいえる第三小説集。性差や属性において明確な区別があった前作までと違いそれを越境するような存在(「火の女」など)が描かれており、興味深い。『フローラ逍遥』は、澁澤流の植物図鑑。著者は作家としてのプルーストを「フローラ型」に分類しているが、あるいは晩年の彼自身もまた、フローラ型の作家に移行しつつあったのか。2013/07/31

HANA

8
収録されているのは「うつろ舟」「私のプリニウス」「フローラ逍遥」。この中で一番著者らしさが出ているのは「私のプリニウス」ではないだろうか。往年の様々な文学やオブジェを嬉々として紹介する文章を思い起こさせる。「うつろ舟」は小説集であるが鎌倉を舞台としたものがよく目に付く。晩年の日本回帰には鎌倉に住んでいるということが影響してるのかなあ。「フローラ逍遥」はエッセイ集、是非とも図のある方も見てみたいものである。2011/12/31

コマイヌ

0
私のプリニウスはプリニウスやアリストテレスを全く読んだ事が無いからぽさが全く分からず無理だった……うつろ舟は聊斉志異を読んだから分かった、絶妙な気持ち悪さ。フローラ逍遙が普通のいいエッセイだった。2015/06/21

季奈

0
『フローラ逍遙』の図版が掲載されていないとは、とんでもない。 幸いにも自分の手元に単行本があるので、そちらで読んだ。 数々の馥郁たるフローラの再読とはなったが、当時はジャン・ジュネすら知らなかったのか、エニシダの項にはとくに関心が寄せられた。 短編「うつろ舟」は、元の逸話が広く知られているが、そこから逸脱したオリジナルな要素、呪いのような読経が時代を超えるのには、幻想小説よりは恐怖小説だろう。 ホラーといえば、もう一つの短編「髑髏杯」の這子だが…。2021/12/24

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