内容説明
シンプルな文体に豊かな寓意と深い洞察をひめて、「異化」による批判/思考を挑発する小説家ブレヒトの世界。掌編集『暦物語』、ブレヒト的散文のエッセンス『コイナさん談義』の他、短編19編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
でろり~ん
1
72年初版なんですね。作者当人の思いとは違うのでしょうけれど、時代に創られた作品群に感じられました。アフォリズムのウンチクなどはベルリンの壁という異常な現実がなければ生まれ得なかった感じ。金持ちは悪い人びとだと思っているコイナさんには賛同できますが、今となっては何を言っているのか、ちとね、難しい内容になってしまったのでは。そもそも三文オペラが20世紀に、なぜあれほどの評判をとったのかが分からない作者ではあったのですが、結構なボリュームを残しているんですね。エネルギッシュではあっても、そんなに面白くはない。2018/06/07