内容説明
日々時々を追った詳細な生活事項と創作活動、基次郎自身の文章や手紙、肉親知友の証言、エピソード、270点の写真図版を組み合わせて浮彫るヴィジュアル版年表作家読本。
目次
第1章 街に育つ(明治三四年二月―大正八年八月)
第2章 三高時代(大正八年九月―一三年三月)
第3章 「青空」の青春(大正一三年四月―一五・昭和元年)
第4章 湯ケ島時代(昭和二年―三年九月)
第5章 退却と前進と死(昭和三年九月―七年三月)
第6章 没後史
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
102
作家ごとに1冊丸々が詳しい年表になった本。梶井基次郎が意外にユーモアのあった人だったり、原稿によって文字の筆跡がまるで違うことや、原稿用紙に書かれた文字より数学のノートに書かれた数式のほうが綺麗だったりするのが面白かった。思えば元々文系じゃなく理系の人だったのだよね。そうそう「桜の樹の下には死体が埋まっている」と書いた『桜の樹の下には』も梶井基次郎氏だが、元々は三好達治氏に聞いた話から着想して一晩で書き上げたのだそうだ。がしかし三好氏はムンクの絵からヒントを得たんじゃないか、などという話も興味深かった。 2014/04/03