出版社内容情報
日本は一つ、ではない。歴史も一つ、ではない。この国の歴史は、ぬるい。……日本史を動かす6つの法則とは? 本郷日本史の集大成。
内容説明
この国の歴史はどのようにして動いてきたか―。日本は一つ、ではない。歴史も一つ、ではない。日本の歴史は、ぬるい。信じる者は、救われない。地位より人、血より家。日本社会は平等より平和を選び、自由をはぐくんでいた。四〇年の研究生活で辿り着いた六つの法則から読み解く。本郷日本史の集大成。白熱講義、ベスト版!
目次
第1章 日本は一つ、ではない―この国は西高東低
第2章 歴史も一つ、ではない―もしも、あのとき…
第3章 日本の歴史は、ぬるい―変わるときは外圧
第4章 信じる者は、救われない―信じると大虐殺が…
第5章 地位より人、血より家―世襲が、強い
第6章 日本社会は平等より平和を選び、自由をはぐくんでいた
著者等紹介
本郷和人[ホンゴウカズト]
1960年、東京都生まれ。東京大学史料編纂所教授。博士(文学)。専攻は日本中世政治史、古文書学。『大日本史料』第5編の編纂にあたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とん大西
113
『日本の歴史はぬるい』…本郷さんのエッセイを読んでると必ず出てくるキラーワードです。これはこれで、この『ぬるい』という表現にはいつもいい得て妙だなと首肯してしまいます。いかつい城壁が都を囲んでないことも、政権交代があっても天皇家が存続してることもなぁなぁでまったりとした民族性にあるのかもしれません。何にせよ安定の面白さでした。2021/10/16
Tomoichi
24
昔は司馬遼太郎の歴史ショートエッセイが好きだったけど、最近は本郷先生のこういう本が面白い。この手の本から歴史に興味を持てれば、歴史好きが増えるかな?2023/07/01
takka@乱読
16
自分は本郷和人さんの著書を何冊か読んできたが、この河出新書から出ているシリーズが一番面白いし考えさせてくれる。そのシリーズの第3弾である本著は、タイトルのとおり6つの日本史の法則について述べている。1つ目は、日本は西高東低。昔の東日本は開拓されていなかったことを想像していただければ言いたいことが理解できるだろう。2つ目は、歴史も一つではない。要するに本郷和人の考えるもしも〜だったらの歴史を考えている章。3つ目は、日本の歴史が変わるのは外圧がきっかけ。4つ目は、信じるものは救われない。2021/09/26
トッシー7
5
私は理系進学だったので、学校での歴史の勉強はテストで出来るだけ効率的に良い点を取るのが目的った。そのため歴史での一つ一つの出来事を深掘りする必要がなかった。しかし、歴史上の重要なことは単純に「起こった」わけではない。大人になって歴史が楽しくなりました。 本郷さん、いろいろと考えさせてくれてありがとう。2022/02/19
noko
3
本郷先生の本は口語で語られているので、読みやすい。著者の別の本も読んでいるので、重複部もあったが、なかなか面白かった。平安時代の『梁塵秘抄』には、仏は常にいませども〜というのが載っているが、すでに仏はこの世に実在しない事は人々にバレていた。また親鸞は弟子に「仏を信じているか?」と問われ、親鸞は「私が信じているのは阿弥陀ではない。我が師法然の言葉を信じている」と答えた。昔の人も賢くバランスよく宗教を生活に取り入れていたにすぎない。エリートは仏教を権力統治や出世の為に利用していた。島原の乱の犠牲者が気の毒。2022/12/12