出版社内容情報
二千五百年間、苦しむ人々を救い続けてきたユニークな宗教「仏教」はなぜ、生まれたのか? その本質を教えてくれる連続講義、開講!
内容説明
二千五百年もの間、「生きることがつらい」と感じる人たちを救い続けている組織がある。仏教である。仏教はなぜ生まれ、私たちになにを伝えようとしているのか?仏教誕生の地・インドの基礎知識からお釈迦さまが目指した世界、その修行方法や出家社会の規律や暮らし、そして仏教の定義までを解説。仏教の世界観はこんなにユニークで新しい!厄災多き時代に贈る、最高にわかりやすい仏教連続講義、開幕です。
目次
第1講義 仏教誕生の地 インド基礎知識
第2講義 なぜ仏教は生まれたのか
第3講義 釈迦が目指す世界
第4講義 仏教の修行方法
第5講義 仏教という出家社会
第6講義 修行者の暮らし
第7講義 仏教の定義
著者等紹介
佐々木閑[ササキシズカ]
1956年福井県生まれ。インド仏教学者。京都大学工学部工業化学科、文学部哲学科卒業。博士(文学)。現在、花園大学教授。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アルカリオン
14
論理的で説得力に富んだ佐々木氏の著作の中でも本書は特に平易な書きぶりになっており、非常に読みやすい▼コロナ対策として講義動画のYouTube配信を定期的に行うようになった。本書は当該講義動画の導入部を書籍化したもの▼先日の「本つぶやき」でも書いたが、「托鉢は修行ではない」という点に驚いた。初期仏教において「食事は午前中にしかとってはいけない」ことの理由が腑に落ちていなかったが、托鉢についての解説を読んだことで得心した。これにより、本書は個人的に特別な一冊となった。2021/10/04
原玉幸子
12
自身の血肉にしようと宗教と哲学は似た様な新書を何冊も読みます。本書は、「インド哲学はヒンドゥー教でなくてバラモン教に繋がる」や「仏教は組織活動である」との解説や、戒律や仏法僧の意味や定義等は分かり易かったのですが、コロナ禍での著者の大学のオンライン講義を纏めた、表面をなぞっただけに感じるものだったので、ちょっぴり残念でした。「ヒンドゥー教と仏教は理念の根が一緒なので、過去一度も宗教対立がない」と言ったのは佐々木閑先生でなかったでしたか、はて。認識違いでしたか。(●2021年・春)2021/03/05
はちめ
8
原始仏教の入門書。大学生への講義が当初の目的なのでかなり初歩的ではあるが、いわゆる日本の宗派仏教とは異なる世界なので宗派仏教の知識がある人には違和感があるだろう。しかしこれが釈迦牟尼が説いた仏教なのだ。2021/02/22
mstr_kk
7
仏教の本質を、釈迦が教えを説いた時代背景から、めちゃくちゃわかりやすく説明してくれる本です。あっという間に読み終わります。「瞑想こそ創造性のもとだ」とか、「仏教は世界宗教ではない」とか、なるほどと思う知見がいろいろ。2022/06/09
彼方
1
仏教に関する小説を書きたくて、でも無知なので入門書的な本が欲しかったところ、この本を見かけて。大学の講義をまとめたものとのことなので、とてもわかりやすかったです。 仏教、私の勝手なイメージでは辛い社会から逃れるための思想だと思ってたけど、むしろその逆で、理不尽な社会への反撃の狼煙なのかもしれない、と思いました。 そして修行の本質などの話も興味深く。とても勉強になりました。2023/01/21