河出ブックス<br> 日本仏教史

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河出ブックス
日本仏教史

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  • サイズ B6判/ページ数 280p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309624921
  • NDC分類 182.1
  • Cコード C0336

出版社内容情報

聖徳太子から空海、親鸞、道元、そして良寛まで、12人と思想から平易な言葉で解き明かす、「民衆化」としての日本仏教史。ひろ さちや[ヒロ サチヤ]
1936年、大阪生まれ。東京大学文学部印度哲学科卒。同大学院印度哲学専攻博士課程中退。今では仏教、インド思想の研究、執筆で活動。主著に『仏教の歴史』『親鸞』『「狂い」のすすめ』『「善人」のやめ方』など。

内容説明

偉大な仏教者たちによる、人々を救うための思想―それは国家のものである宗教を、民衆へと奪還するべく鍛え上げられた、強靱な「生きることの肯定」の思想である。日本への仏教伝来から江戸時代まで、歴史に名を残した12人の仏教者たちは「現実の人生」をどう生き、そしてなにを考えたのか。その思索のドラマを描き、難解な思想を平易な言葉で解き明かした、日本仏教史の決定版。

目次

国家仏教
聖徳太子
取捨選択
最澄
プロとアマ
空海
法然
彼岸と此岸
親鸞
一遍
「信」と「行」
道元
王法と仏法
栄西
日蓮
一休
蓮如
良寛
檀家制度
「無宗教」という宗教

著者等紹介

ひろさちや[ヒロサチヤ]
1936年、大阪府生まれ。東京大学文学部印度哲学科卒業。同大学院博士課程中退。膨大で難解な仏教思想を、逆説やユーモアを交えてやさしく解く語り口でひろく好評を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

to boy

30
六世紀半ばに伝来した仏教が「日本仏教」として変化していく様をわかりやすく書かれていました。独創的な思想家7人、社会思想史として興味ある5人について思想、特徴などを初心者にもわかるように書かれていて読みやすかった。現代の仏教がなぜ葬式仏教になってしまったのか、人生の意味を教えてくれることがなくなってしまったのかへの批判は著者らしく痛烈です。今まで興味がなかった一遍上人に興味を持ちました。2018/01/06

かんやん

24
六世紀半ば百済経由で伝わった仏教は国家宗教として採用される(蘇我氏)。奈良仏教(聖徳太子)→平安仏教(比叡山の最澄と高野山の空海)は支配層のためのものだった。空海の真言宗(密教)は既にして完成され、発展はなかったが、比叡山の天台宗からは、法然(浄土宗)、親鸞(浄土真宗)、道元(曹洞宗)、日蓮(日蓮宗)、一遍(時宗)などが排出された。鎌倉仏教になって初めて庶民にまで浸透し、また異端として弾圧される。浄土への渇望や他力は当時の過酷な生ゆえであろうが、自分にはあまりに生々し過ぎて、一休の風狂に惹かれてしまう。2024/04/13

禿童子

20
なかなか痛快な切り口の「ひろさちや節」。葬式仏教の由来と国家神道による「日本人の無宗教化」は、思わず膝を叩きたくなる卓見卓説。日本に伝来した当初から奈良・平安時代までの仏教は鎮護国家が第一で僧侶は国家公務員。民衆救済の宗教になったのは法然の専修念仏が最初。親鸞、道元、日蓮、蓮如などの宗教と政治権力の関りについて述べた後で、徳川幕府の切支丹禁制から寺請制度による仏教の政治利用と堕落、葬式・法要で飯を食う現在のスタイルへ。明治維新後は国家神道に協力、日本人が宗教への信頼を無くした元凶と仏教界を厳しく批判する。2018/05/01

みずたま

5
仏教史と言いつつ、最後の江戸から明治、現代にかけての「キリシタンではない証明からの強制的な仏教化、葬式仏教と商売。その反動としての国家神道、そして無宗教の社会」という部分(多くは書かれていない)が、とても強烈に印象的だった。 日本人と仏教との関わり。この一冊ですべてを理解することはできないが、これまでの仏教と国家という印象からは少し違う歴史を垣間見れた。2019/02/17

Yoshihiro Yamamoto

3
B 「日本において仏教は、最初の最初から民衆や庶民のための宗教ではなく、支配階級のための宗教であった(鎮護国家や貴族の念持仏等。王法に対する仏法の独立がない)」「特に江戸時代に入ってからの「檀家制度」が仏教を完全に退廃させた」という筆者の仏教観をひしひしと感じる1冊であった。面白かったのは、平安時代は取捨選択の時代として、大乗仏教(最澄)vs小乗仏教、密教(空海)vs顕教、他力仏教(法然)vs自力仏教という軸で、選択が行われたという指摘だ。こうした選択を通して、仏教が日本化されたという筆者の指摘は面白い。2017/01/31

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