河出ブックス
平成史 (増補新版)

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  • サイズ B6判/ページ数 577,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309624686
  • NDC分類 210.76
  • Cコード C0336

出版社内容情報

平成四半世紀、何が変わり、何が変わらないままなのか。気鋭の書き手たちが描く、新たなる現代史。「経済」「外国人」の章を増補。

【著者紹介】
1962年、東京都生まれ。慶應義塾大学総合政策学部教授。『単一民族神話の起源』『〈民主〉と〈愛国〉』『1968』『日本という国』『社会を変えるには』など著作多数。

内容説明

「平成」の世も四半世紀。「ポスト冷戦」と軌を一にし、バブル崩壊と長きにわたる経済停滞を含みこむこの期間、日本の社会構造と社会意識はいかなる変遷をとげてきたのか―。政治、経済、地方‐中央関係、社会保障、教育、情報化、外国人政策、国際環境とナショナリズム…気鋭の論者たちが集い、白熱の議論を経て描く、新たなる現代史のすがた。さらなる政権交代以後も視野に収めた大増補版。

目次

総説―「先延ばし」と「漏れ落ちた人びと」
政治―再生産される混迷と影響力を増す有権者
経済―「土建国家」型利益分配メカニズムの形成、定着、そして解体
地方と中央―「均衡ある発展」という建前の崩壊
社会保障―ネオリベラル化と普遍主義化のはざまで
教育―子ども・若者と「社会」とのつながりの変容
情報化―日本社会は情報化の夢を見るか
外国人―包摂型社会を経ない排除型社会で起きていること
国際環境とナショナリズム―「フォーマット化」と擬似冷戦体制

著者等紹介

小熊英二[オグマエイジ]
1962年、東京都生まれ。慶應義塾大学総合政策学部教授(歴史社会学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

34
小熊氏が朝日の論壇時評で自薦していた平成史。これは読み応えあり、高校か大学の教科書にしても良いくらいの充実度でした。日本型工業化社会が機能不全になる中で認識と価値観の転換を拒み、問題の先延ばしの為に補助金と努力を費やした時代。その中で漏れ落ちた人々が増えて格差意識と怒りが生まれ、ポピュリズムが発生している。安全保障では、冷戦期で時間を止めて構造変化に目をつぶってきた歴史。政治、経済、教育、社会保障、外国人問題等、若手学者達による厳しい論考ばかりですが、いずれも本質をついています。一家に1冊欲しい本ですね。2016/09/06

oasam

3
 「史」とはありますが、出来事をただ羅列した年表的なものではなく、平成に至るまでの戦後の歴史をテーマを絞って総括し、その流れで平成を語ることで現在の社会を的確に分析した本です。サブタイトルに「それでも日本人は先延ばしを選んだ」とでも付ければもっと面白いのに。2017/11/04

ほっちょる

2
平成という時代を、政治、経済、中央と地方、社会保障、教育、情報化、外国人、国際環境等の分野から、各論者が論じた良書である。それぞれの論点に通底するのが、小熊氏のいう「先延ばし」と「漏れ落ちた人々」であり、現在の問題を言い当てていると思う。日本における、保守主義レジームと新自由主義レジームとの相克によって生まれた、メンバーシップから漏れ落ちた人々の問題、国際環境におけるフォーマット化に対するナショナリズムの台頭や地域間格差の問題等、「令和」を迎える今、先延ばしにできないところまで来ている。2019/03/19

Masayuki Shimura

1
【30年総ざらい】平成に関する作品は数あれど,データを積み重ね,ある意味「教科書的」にまとめあげた作品として評価できる作品。そのため,決して読みやすい訳ではないのですが,総合的かつ多角的に平成について振り返りたい方には特にオススメです。2018/12/05

K

1
興味深く読みましたが、河出の1980/1990年代シリーズよりは論文的で、かつ時代を客観視して面白がるというより(生々しくてまだ客観視なんてできないというのも理解できるが)、当事者の不平、危惧といった感覚が根っこにある本に感じた。臭いものに蓋をしまくった年代として記録や記憶に残ってしまうのかと思うと、物心ついてすぐに平成の世が始まった世代の人間としてはちょっと複雑な気持ち。2018/08/17

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