河出ブックス
バタイユ―呪われた思想家

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  • サイズ B6判/ページ数 249p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309624655
  • NDC分類 950.28
  • Cコード C0310

出版社内容情報

「呪われた思想家」バタイユの核心と可能性は芸術論における「裂け目」にある。新たなバタイユ像によって現代を震撼させる気鋭の挑発

【著者紹介】
フランス文学専攻。著書『ジョルジュ・バタイユの《不定形》の美学』(水声社)。訳書にユベルマン著『イメージの前に』(法政大学出版局刊)他。

内容説明

人間は裂け目から生まれたのであり、われわれとは開かれた傷口なのだ―二十一世紀になってなお思想史に異様な光芒を放ち続けるバタイユ。傷口=裂け目という主題からその全体を透視して、これまでのバタイユ像を一新するとともに、不定形なるものとしての人間の極限と芸術の根源をあらわにする。世界的水準の最も過激で最も鮮烈な思想=芸術論にして迷妄に満ちた現在に捧げる、バタイユ入門の決定版。

目次

序 裂傷の思想家バタイユ
第1章 開かれた傷口―内的体験の視覚的対象
第2章 裂け目から生まれる芸術、そして人間―『ラスコーあるいは芸術の誕生』をめぐって
第3章 不定形の…
第4章 二つの身体
第5章 傷口としての写真
第6章 低次唯物論から変質へ
第7章 無頭の絵画―アンドレ・マッソン
第8章 絵画という開かれた傷口―『マネ』をめぐって
結 芸術と共同性

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

水菜

4
傷口…傷口というとリストカットの傷を思い出す。それもまた世界への接触面。眼球譚読みたいなー。2014/01/03

ra0_0in

3
現代思想の出発点を敢えて定めるならニーチェということになるか。だが、啓蒙主義・資本主義社会の行き詰まりを打開すべく、まさに同時代的なファシズムの全体主義に対抗する形で、我々の内なる生を称揚する哲学としてニーチェを参照した「現代」思想家こそ、バタイユだった。本書はそのバタイユの芸術論を中心とした周縁的著作を非常に明晰に読み解いており、「入門書ではない」と言いつつも、バタイユ以後の現代思想を理解するのに極めて有用である。美術・芸術を生業にする人々に、ベンヤミンやグリーンバーグを読むよりも、まず本書を勧めたい。2013/12/13

Ex libris 毒餃子

2
バタイユを介した作者の芸術論の本。2015/05/14

nightU。U*)。o○O

1
入門になるかと思って手に取ったがあくまでバタイユ思想の一側面から美学、美術を覗き見してみた感じだ。繰り返しが若干鼻についた気もするが楽しく読めた。否定性から始まり、既往の宗教性にすげかえない「なにでもない」の応酬、消費濫費、あくまで非知2016/07/16

どぅまち

1
バタイユ入門というより、バタイユ的に考察してみる試み、とはいえ必ずしも難解ではなく、丁寧に読み進めていくと発見も多い。芸術とは何かについて、「傷口」をキーワードに展開していく。磔刑図、洞窟画、足の親指、プリミティブアート、マネの絵画。一見無関係なそれらのものが「バタイユ的」にどう結び付けられていくのか。改めて「芸術」とは何か、であったり、その意義を考えてみるのに最適。2015/04/09

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