内容説明
グーテンベルクの活版印刷の発明と共に、検閲の歴史は始まった。初めは宗教改革のビラ取り締まり、やがて、新聞、雑誌はもちろん、小説、戯曲、詩に至るまで、自らの名誉と立場を守るため、ハプスブルク家の人々は検閲に躍起になっていく。そして、彼らが検閲に必死になればなるほど、次々と抜け穴を見つけていく表現者や印刷業者たちとくり広げられるいたちごっこは、やがて著作権の誕生につながっていく。出版という観点から見た、ちょっとユーモラスなヨーロッパ文化史。
目次
序章 「検閲」から何が見えるか
第1章 活版印刷は世界を制す
第2章 神聖ローマ帝国の検閲事始め
第3章 神聖ローマ帝国における検閲制度の法整備
第4章 印刷特権
第5章 選挙協約と検閲
第6章 領邦国家の検閲制度
第7章 マリア・テレジア治下の検閲制度の改革
第8章 前三月期の検閲事情
終章 窒息しそうな検閲の果てに
著者等紹介
菊池良生[キクチヨシオ]
1948年生まれ。明治大学理工学部教授。専攻はドイツ・オーストリア文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件