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河出ブックス
レヴィナス―壊れものとしての人間

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  • サイズ B6判/ページ数 246p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309624488
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0310

内容説明

ホロコーストを生き延びたことの罪悪感と向き合い、人間を「そもそも壊れやすいもの」とする一方、他者の苦しみを受けとめることの意味を追究し続けたレヴィナス。その哲学の核心は、あらゆる人が出会いうる「傷つきやすさ」にある。介護・看護といったケアや自閉症研究など、他者との接触の分析に、レヴィナス哲学を取り入れてきた気鋭による、二十一世紀に残るべき思想としてのレヴィナス入門。

目次

第1章 レヴィナスの生涯と作品
第2章 外傷の哲学―レヴィナスの核
第3章 逆流する創造―初期の世界論と他者論
第4章 暴力批判論―第一の主著『全体性と無限』
第5章 後期思想『存在の彼方へ』
第6章 外傷としての主体―レヴィナス思想の深淵
第7章 メシアニズムを捨てて―信仰なき宗教について
第8章 レヴィナスの歴史哲学
終章 死者の復活―治癒論としての歴史

著者等紹介

村上靖彦[ムラカミヤスヒコ]
1970年、東京都生まれ。基礎精神病理学・蒸神分析学博士(パリ第七大学)。現在、大阪大学大学院人間科学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

すみ子

8
再読。非常に面白かった。本書を通読することでレヴィナスの思想が初期から後期に至るまでどのような変遷を辿っていったのか、全体を概観することができる。精神病理学の立場からレヴィナス思想を読むという試みだが、難解なレヴィナスの思想をより具体的にイメージできるような実例を挙げ説明があり、かなり理解の助けになった。レヴィナスに関心があるすべての人におすすめしたい。2019/01/27

さえきかずひこ

8
第七章が非常に文学的であり、とりわけ素晴らしい。難解なレヴィナスの現象学を、精神病理学との類比からとらえる視点と方法には独創性があるように感じた。2014/04/11

ポカホンタス

6
『全体性と無限』と平行して読んだ。大変わかりやすく、また画期的な内容を含んだ考察。さすが村上先生。レヴィナスの思想を狂気と結びつけている点と、レヴィナスの思想を世界宗教であると喝破した点が、大変示唆的であった。2012/12/30

Bevel

6
外部性を他人の顔や、言葉に置くだけでは不十分で、主体性や発言する行為そのものに置かなければならない。外部性とは社会に対する無限の責任のことで、そこにはじまりと終わりに関するすべてと狂気がある。不眠症の夜という非人称的に苦痛に溶けて「ある」ことから、無意味が意味へと反転したり、言語以前の愛撫的関係(コミュニケーション以前のコンタクト)に入ったりすることで、人は主体生成(hypostase)し、言葉との関係に入る。この生成の本質的な条件は、現実的な外傷としての超越論的な外部性の表現だ、とまとめてみた。2012/10/31

れどれ

5
面白かった…ろくろく理解が及ばないことに目をつむれば。著者の解釈により論旨は呑み込めるのだけれど、レヴィナスの論法に追いつけない。一文一文読み進めている間はフムフムなるほどなどと頷いておいて、結論に達したときにはハテナどんな道筋でここへ達したのやらと、己の読解力の欠如を嘆く羽目に。ただまぁ前後不覚の迷子に成り果てたにせよ経過の景色を堪能できたのに違いはないのだから、それはそれで価値ある読書体験だった。2019/09/15

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