河出ブックス
日本ファシズム論争―大戦前夜の思想家たち

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309624440
  • NDC分類 311.8
  • Cコード C0310

内容説明

一九二〇年代初頭、その後の世界の歴史を大きく変えることになる思想「ファシズム」が、イタリアで生まれた。誕生から時を経ずして日本に輸入されたこの思想を、当時の思想家たちは、いかに受け入れてきたのか。歓喜、否定、戸惑い―やがて「ファシズム」は、日本独自の変容をとげていく。二つの世界大戦間での、思想上の格闘を追い、近代日本のもうひとつの実像に迫る。

目次

第1章 異国の「国粋党」―イタリア・ファシズムと日本
第2章 日本の「英雄」ムッソリーニ
第3章 極化する時代―ナチ党躍進と日本
第4章 「日本ファシズム」論の興隆
第5章 自由主義・ファシズム・社会主義
第6章 全体主義とは何か

著者等紹介

福家崇洋[フケタカヒロ]
1977年、徳島県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科、京都市政史編纂助手などを経て、京都大学大学文書館助教。専攻は日本近現代思想史、日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ナン

4
前半、イタリアファシズムやナチスが日本でどう紹介されていたかについての記述は面白かったが、後半はファシズムを巡る論争をたどるだけでもっと深い内容を期待していた自分としてはやや不満。有名ではない思想家も紹介されているが、その考えは抽象的で頭に入って来ず、時間をかけてまで理解しなくてもいいかなという感じ。直木三十五があえてファシストを名乗ったとか、身元不明のドイツ人が日本で暗躍していたとか、興味深いエピソードはいくつかあった。2020/09/02

可兒

3
日本におけるファシズムという言葉の受けとられ方や論ぜられ方について、学問的から世間に至るまでまとめた本。当時はやっていたマルクス主義や自由主義からの議論、そして『ファシスト』自身の記述などが印章深い。冒頭で言及されているが、大阪の橋下知事のやり方を語呂だけで「ハシズム」などと表現している人たちにもおすすめ2012/07/16

kukikeikou

1
ファッショの鮮烈さ、国内左右を問わず受け入れられた団結主義。資本主義二番手達の共鳴2019/03/14

秋津

1
日本においてファシズム、ナチズム、全体主義がどう論じられてきたかという一冊。普通選挙体制が確立していった1920年代のムッソリーニ・ブーム、満洲事変などで揺れる1930年代の「反ファシズム」を旗印とした自由・社会主義両勢力提携に向けた動きなど、当時の状況に応じたファシズム等の議論がなされていたのか知ることができました。後は本筋からは外れますが、ムッソリーニから寄贈され、会津若松市の飯盛山に設置された白虎隊をたたえる記念碑が、下位春吉なる人物に日伊政府が振り回される形で決まったという話が滅茶苦茶で好きです。2016/08/27

山名

1
思想家の紹介に留まっているので、戦前を考える上でのヒントにはなるうえでは重要だと思うが、新しい知見を得られると思って読むと期待外れになるかもしれない。 これまであまり注目されることのなかった思想家だけあって(特に後半で紹介される思想家)、現実に対してあまりに理知的すぎてその無力さが悲しいほどに印象的だった。 ただこういった考えがなぜこの時期に出たのかを考える必要はあるだろう(多分に人文学的、閉鎖的な関心に限定されるが)。2016/02/21

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