河出ブックス<br> 戦後SF事件史―日本的想像力の70年

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河出ブックス
戦後SF事件史―日本的想像力の70年

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  • サイズ B6判/ページ数 279,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309624396
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0391

内容説明

SF小説、マンガ、アニメ、特撮、異端・幻想文学、現代美術、アングラ演劇…ファンダムの発展、専門誌・同人誌の盛衰、作家と編集者の戦い、しばしばファンを巻き込んだ論争と騒乱とお祭り―そこにはSF的想像力/創造力を駆使しながら、同時代の諸ジャンルが互いに響きあうエネルギーの磁場があった!敗戦から3.11後まで、戦後の様々な「想像力」運動の横のつながりやその周辺で起きた事件、作り手と読み手が織りなす人間ドラマをいきいきと描きながら、現代日本の可能性を問う。

目次

序章 SF・幻想・アニメのリアル―戦後から災後まで
第1章 戦後的想像力の始動
第2章 空想科学からSFへ
第3章 戦う想像の現場―騒乱と創造と裁判沙汰
第4章 論争とお祭りの日々
第5章 進歩と未来とオカルティズム―多様化する創造的想像力
第6章 幻の八〇年紛争からオタク革命へ
第7章 「幻想文学」とその時代
第8章 反復と変容―本当の二十一世紀へ

著者等紹介

長山靖生[ナガヤマヤスオ]
1962年、茨城県生まれ。評論家。歯学博士。歯科医の傍ら、近代日本の文化史・思想史から、文芸評論や現代社会論まで、幅広く執筆活動を行っている。著書に、『日本SF精神史』(日本SF大賞・星雲賞、河出ブックス)、『偽史冒険世界』(大衆文学研究賞、ちくま文庫)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

45
戦後、海野十三や安部公房から3・11までSFの流れを追った一冊。とはいえ含まれる範囲は純粋なSFに留まらず、アニメや幻想文学まで及んでいる。個人的にはSFはここで言う第一世代と伊藤計劃くらいしか読んだことがないので、幻想文学系の方にシンパシーを感じながら読む。あと全体的に事件史と銘打っているものの事件らしい事件は『太陽風交点』事件だけで、あとは通史っぽいんだよなあ。ただ文面からでも創設期独特の作家とファンの一体になった明るい熱気は感じられて、そこに参加している人々が酷く羨ましく感じられた。2015/01/03

Koning

16
高校の現国の授業で第二次戦後派の安部公房や大江健三郎を読んでレポートを書けというのがあって、一人そんなの関係ないとばかりに安部公房から日本のSFのどーたらこーたらというレポートを書いた黒歴史を思い出した。いや、でもまさしく安部はそうだよねなどと安心してもみたり。基本は戦後のSF業界の歴史とそれに近いサブカル、反体制な人たちのやらかしたことを綴りつつSFムラのいいとこ探しをする感じですかね。赤瀬川や唐の話は関係ないじゃんって思う層が多そうだけれどバラードなんかの流れにもってくには必須だったんだろうなぁとも。2012/10/17

garth

14
てっきりSFが起こした事件の歴史、オウム真理教や太陽寺院みたいなものについて書かれているのかと思ったのだがまったくそういうものではなく、オウムは「SF的想像力の産物というよりも、二次創作的欲望に発していた」と退けられてしまう。やはりその事件史はぼくが書かなければならないらしい。2012/03/16

サイバーパンツ

12
個々のトピックの掘り下げは浅いが、SFオタクが語る戦後~現在までの日本SF概観史として見れば、大量の資料を参照しているし、かなり網羅的。幻想文学やアングラ演劇、赤瀬川原平を中心とした現代美術、果てはマンガ・アニメまで、SF的想像力が各時代でどのようにして波及していったか、様々なジャンルを横断しながら辿ってくれる。いい意味でオタクっぽい本。2018/01/18

春風

8
SFの歴史じゃなくSF界の歴史。客観的な歴史というより半ば個人史的な本として読むべき。扱う出来事や人物の取捨選択に著者のメッセージ性が色濃い(例えば神林長平や瀬名秀明、浅倉久志は一回も出てこない)。2012/03/02

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