河出ブックス
現代日本建築家列伝―社会といかに関わってきたか

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  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309624358
  • NDC分類 520.28
  • Cコード C0352

内容説明

建築家の果たしてきた役割を無視して現代社会は語れない。彼らはいかに時代と格闘してきたか、社会と関わってきたか―。丹下健三から、焦土の風景から出発して高度経済成長期を経験した世代、70年代の不景気にじっくりと力を蓄えた世代、バブル期にデビューした世代、阪神大震災やバブル崩壊の後に活動を始めた世代、そして21世紀に頭角をあらわした新世代まで、世界的に高く評価されている建築家たちの仕事に、戦後から3・11に至る日本社会のすがたを読む。写真80点超、現代日本建築家「系譜図」付き。

目次

1 焦土の風景を乗りこえて―1910‐30年代生まれ(丹下健三―大東亜の時代と国民的建築家;黒川紀章―仏教とメタボリズム;磯崎新―挙行と現実に引き裂かれた建築家)
2 閉じた箱から開放的な空間へ―1940年代生まれ(安藤忠雄―環境を映しだすコンクリートの幾何学;伊東豊雄―情報化時代の新しい建築;坂本一成―自由な建築、あるいは重層的なシステムの構成;藤森照信―天下無双の建築(史)家
飯島直樹―境界線上のインテリア)
3 透明で軽やかな建築の出現―1950年代生まれ(SANAA―空間の形式を再構築するデザイン;妹島和世―距離のねじれを生む、ガラスのランドスケープ;西沢立衞―映像と言葉を超える建築;隈研吾―疾走するゲームプレイヤー)
4 しなやかに環境と状況を読む―1960年代生まれ(アトリエ・ワン―ポスト・バブルのニッポン的リアル;阿部仁史―メディア・スーツとしての建築;手塚建築研究所―ストレート・モダン、あるいは建築の郷土;遠藤秀平―地球を計測するジオメトリー)
5 グローバリズムか、ガラパゴスか―1970年代生まれ(藤本壮介―新しい幾何学へ;石上純也―無重力の風景、相対性の空間;原理と現象―1970年代生まれの建築家たち)
おわりに―3・11以降の建築

著者等紹介

五十嵐太郎[イガラシタロウ]
1967年、パリ生まれ。建築史家・建築批評家。東京大学工学部建築学科卒業、同大学院修士課程修了。博士(工学)。現在、東北大学大学院工学研究科教授。ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展・日本館展示コミッショナー(2008年)。あいちトリエンナーレ2013では芸術監督を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zirou1984

19
世界的に活躍する20世紀の日本人建築家についてその系譜を整理し、出生年別にまとめられた建築家史は何となく建築家の名前は覚え始めつつも、その中身について理解してなかった自分にとっては格好の一冊だった。戦後のメタボリズムという建物の新陳代謝を意味する運動が都市計画を牽引し、それが次世代の建築家を育てるというサイクルが機能していたことがよくわかる。またバブル崩壊後もその系譜の中から新しい世代が出てきており、藤本壮介や石上純也といった最先端で活躍している建築家の名前を知れたのは収穫であった。2018/05/27

4
建築批評家なだけあって、建築空間に関するディスクリプションには舌を巻くんだけど、ただ自分の知識や想像力の不足のせいか、自分の知らない建築については、その記述から建築空間をイメージするのがなかなか難しく、もっと図や写真を掲載して欲しかった。でも本書を読んで、外部から見るとバカバカしく思えるところにまで建築家が固執するのは、建築家が自分のロジックを細部にまで徹底させるからだというのは伝わってきたし、ロジックではなくアナロジーで思考する癖がある自分が、建築家と相容れない理由もそこら辺にあるような気がした。2015/07/08

しーふぉ

3
気になる建築家が出来ました。藤森照信という人です。民家の要素を取り入れているようで、オリジナリティと遊び心が感じられる。2013/04/06

kozawa

1
それなりに面白く読んだけど自分はちゃんと理解してはいないなぁ感はある。(白黒だが)写真も豊富で各建築物への描写もわかりやすく、日本全国のものを取り扱ってはいてもそれぞれよく知られたものも多いので、どんな建築をどんな人が作ったどんなものかというぐらいに表面をなぞって読むだけでも面白いんじゃないかと。2011/12/29

Hirumanoya

0
本の主題と外れるが、藤森照信について、素朴な自然派ではなく、モダニストだと評しているのが気になった。この二項対立はちょっと変ではなかろうか。自然改造を躊躇わないのはモダニスト、というわけではない。農民も自然改造を躊躇わない。2016/08/24

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