河出ブックス
言葉の誕生を科学する

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  • サイズ B6判/ページ数 193p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309624303
  • NDC分類 801
  • Cコード C0395

内容説明

鳥はなぜうたうのか?鳥がうたうのは、求愛のため、繁殖のためである。しかし、そのことで鳥の歌は次第に複雑になっていった。人間は、なぜ言葉を話しはじめたのか?人間も言葉以前にうたっていたのではないか?長い進化の過程で、人間だけが、ある時「歌」から「言葉」へと、大いなるジャンプをなしとげた。いまだ謎であり続ける、人間が言葉を得て、心を持つに至る悠久の時間に、初めて光をあてる。

目次

第1部 言葉はいかにして誕生したのか?(言葉はいつどのように生まれたのか;言葉の起源は歌である;言葉と音楽 ほか)
第2部 言葉は何を伝えるか?(コミュニケーションの目的は「つながる」こと;言葉を解きほぐす技術;人間がシンボルを理解する瞬間の奇跡! ほか)
第3部 心はどのように生まれるのか?(書き言葉の誕生;それは「数えること」から始まった;ハダカデバネズミも歌をうたう ほか)

著者等紹介

小川洋子[オガワヨウコ]
1962年岡山県生まれ。88年『揚羽蝶が壊れる時』で第七回海燕文学賞を受賞しデビュー。『妊娠カレンダー』で芥川賞受賞。『博士の愛した数式』で読売文学賞、本屋大賞を受賞

岡ノ谷一夫[オカノヤカズオ]
1959年栃木県生まれ。米国メリーランド大学大学院修了、博士号取得。東京大学教授。理化学研究所脳科学総合研究センターチームリーダー。科学技術振興機構ERTO情動情報プロジェクト統括を兼任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

なっく

35
コミュニケーションは動物でもできるけれど、言葉は人間だけなのか。その言葉の一歩手前が歌だなんて面白い、しかも歌を学ぶのは鳥と人間とクジラだけ。つまりサルより鳥の方が言葉に近いコミュニケーションをしているってことなんだね。言葉を手に入れた人間は、死や孤独の恐怖から逃れるために、それを書として残すことになった。小川洋子さんが言うと説得力がある。確かに彼女の小説は、死や孤独があることを前提にした喪失と再生の物語が多い。2020/07/12

はるき

31
対談形式で綴られる、言葉というか音に出すメッセージについての考察。小川洋子さんは私の中で理系の範疇の複雑な人。論理展開が理路整然としています。人間は進化の過程で言葉を獲得して飛躍的な進歩をとげたわけですが、当たり前だと思って、考えていないことの何と多いことか!科学は苦手ですが、推論を重ねることと空想を広けることは類似点もあると思います。2016/12/11

Tadashi_N

27
話し言葉は鳥の囀りから、書き言葉は数字の記録から発生したという考えが良かった。文章でやりとりするのは、ほかにはクジラ。2021/08/09

Nobu A

21
岡ノ谷一夫先生(&小川洋子)著書3冊目。11年初版。研究者と小説家の対談は理想の組み合わせかもしれない。研究者でありながら作家並み、いやそれ以上の文才を持ち合わせる人も存在するが、時々曖昧模糊な知識を明瞭に言語化してくれる化学反応が発生。歌を歌う人間と鳥と鯨、その中で人間のみが音楽を観賞。その差異を解明出来るのだろうか。また、言い得て妙な表現「情報習慣病」の視点がとても興味深い。情報化時代はどこに向かっているのだろうか。示唆に富む内容。他方、「さえずり言語起源論」等の重要なキーワードはもう少し説明が必要。2022/10/15

kei

19
小説家小川洋子さんと、言語の歌起源説を唱える岡ノ谷さんとの対談本。科学的なことはさらっと書かれていて 色々なこと(言語、音楽、神、脳、コミュニケーション、心、など)についてお二人で楽しくお話しているところに お邪魔しているような気がする楽しい読書になりました。2019/05/07

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