内容説明
古来、日本の政治・経済・文化と深く関わり、歴史的蓄積が厚い「海の道」瀬戸内海。漁業、交易、エネルギー輸送…人とモノが活発に行き交い、時代とともに多様な産業が折り重なってゆくその歩みは、まさに日本の近代史・昭和史の縮図と言える。瀬戸内の主要航路に面したある小さな島にスポットをあて、内海での鯛網漁から、西海捕鯨へ、マニラ湾へ、南氷洋捕鯨へと拡がった海の労働の世界、海運・造船業の成長にともなう「海の道」の再編成に揺れる地域社会の姿も活写。丹念なフィールドワークの成果が随所に光る画期作である。
目次
「海」と「島」へのいざない
第1部 近代日本と漁民の「海の道」―拡大する漁民の世界(西海捕鯨と出稼ぎの道;網の島と船;マニラ湾の日本人漁業;母村の変容―移民送出母村の空間と文化;南氷洋捕鯨への道)
第2部 昭和史のなかの瀬戸内海―「海の道」の再編成(「船」が生みだす「産業の時間」;海の労働者の世界)
第3部 「海」と「島」のゆくえ―一九八〇年代の瀬戸内海(「産業の時間」に揺れる島;海と島の「根の世界」)
「海の世界」の重層性
著者等紹介
武田尚子[タケダナオコ]
お茶の水女子大学文教育学部卒業。2000年、東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程修了。現在、武蔵大学社会学部教授。博士(社会学)。専門は地域社会学・都市社会学。著書に、『マニラへ渡った瀬戸内漁民』(御茶の水書房、日本社会学会奨励賞)、『瀬戸内海離島社会の変容』(御茶の水書房、地域社会学会賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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