内容説明
教義も説教もいらない、ただ「信徒」たらんとした内村鑑三が生涯を賭けてつきつめた「信仰」とは何だったのか。
目次
第1章 日本の天職を知る
第2章 信仰は信仰である
第3章 汝力なきものとして
第4章 失うものと得るものと
第5章 接ぎ木の摂理
第6章 義戦論から絶対非戦論へ
第7章 信徒が祖国のために為すべきこと
第8章 無教会主義を棄てず
第9章 視よすべての事新しく成れり
第10章 キリスト再臨の地、日本
著者等紹介
前田英樹[マエダヒデキ]
1951年生まれ。立教大学現代心理学部映像身体学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ushikubou
3
内村鑑三は熱心なキリスト教者、くらいの認識しかなかったが、深い信仰を持ち壮絶な人生を送ったということを知った。内村の生き方を知ると『信仰』と『宗教』は全く別物であることに気づく。前者は対象との繋がりの個人的な体験だが、後者は教会などの組織や規律で人を縛るものである。そのため武士道とキリスト教信仰も矛盾しない。あまりに純粋な信仰故にキリスト教会から批判や反発を受けるが全く意に介さない。近くにいたら面倒くさいと感じてしまうかもしれないが、それは彼が語るダイレクトな言葉に見たくない真実が含まれているからだろう。2017/01/30
sto65
2
最近聖書や神学などに興味が出てきて、内村鑑三先生の著書を何冊か読んだが、一体この人はどういう思想を持っていたのか知りたくなり、伝記的な著作を探して選んだ一冊がこれである。前田英樹さんの本は好きで何冊か読んでいた。期待通り内容的に間違いはないものだった。一方、内村鑑三という人物は、現代の我々の感覚では中々捉え難く、それは前田さんの著述を持ってしても到達しえない、何か底知れぬ深みがあるように思えた。思想的な深みというより、宗教的な信仰深さと言ったほうが適切かもしれないが。信仰を理解するの容易ではない。2014/07/06
西尾政孝
1
日本人として、これからの日本の行方を考えるために、今こそ読むべき本。信念を貫いて闘い続けた内村の言葉が熱く迫ってくる。東日本大震災の直前に出版されていたのも、何かの導きだったように思う。2020/04/20