河出ブックス
1950年代―「記録」の時代

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309624235
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0336

内容説明

敗戦直後の混乱から脱して高度経済成長を準備した時期とだけ捉えられ、これまであまり脚光を浴びてこなかった1950年代。しかしそれは、「記録」という言葉が独特の熱を帯び、さまざまな「記録」のあり方が多彩な展開を見せた時代であった―。生活綴方、サークル詩、ルボルタージュ絵画、記録映画、テレビ・ドキュメンタリー…「記録」を生み出す「闘争」の現場に迫りながら、アクチュアルな問題を喚起し続けるこの時代の新しさを再発見する野心作。

目次

第1章 「記録」の時代としての1950年代
第2章 サークル運動と生活記録
第3章 「記録」のアヴァンギャルド
第4章 ドキュメンタリーとテレビの始まり
第5章 「闘争」の記録/「記録」の闘争
第6章 「記録」は現実をどう変えたか

著者等紹介

鳥羽耕史[トバコウジ]
1968年、東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修了。現在、徳島大学准教授(日本近現代文学)。戦後の芸術運動や社会運動の中での文学について、当事者の聞き取りも重ねながら研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

双海(ふたみ)

10
美術史の課題で使用するかと思って読みましたが、結局使用せず・・・。2014/06/28

ハチアカデミー

5
記録=ドキュメンタリーという手法の成立と、その意義・意図を探る。生活綴方、サークル、ルポ絵画など、多分野の記録を紹介、考察する。安部公房を中心とした「夜の会」が目指したものは、ある種の定型に落とし込まれた「現実」を見つめ記録し、それを素材に定型から脱却を目論見である。シュール(越える)レアリズムのベクトルをサブ(下)にむけたサブリアリズムという思考はおもしろい。ルポルタージュとアヴァンギャルドがなぜ結びつくことが出来たのか理解。これは定型に雁字搦めにされたいまこそ必要な視座である。2012/10/23

ポカホンタス

4
「サークル活動」の「サークル」という言葉の歴史を調べるのに読んでみた。著者の言うように、終戦後の混乱期である1950年代についての私たちの歴史認識は薄い。その時代に戦争や革命と闘う「サークル活動」が生まれ、「記録」することの価値に日本人が目覚めたことが検証される。興味深い話だった。2019/10/22

ホッタタカシ

4
アクロバティックな着眼の多かった『運動体・安部公房』とは異なり、1950年代という価値混沌の時代における芸術運動を「記録」というキーワードで、地道に掘り返して行く、これもまた“記録”。「左翼サークル」、「前衛としてのルポルタージュ」、「ダム建設」、「炭坑」、「戦犯・冤罪裁判」、これらの分野を見る目を戦後日本人はどのように培っていったのか。『運動体・安部公房』の白眉は『飢餓同盟』論だったが、著者は杉浦明平の研究者でもあり、ルポ文学の問題にも短く触れている。この部分をさらに分析した続きを読みたい気もする。2013/05/17

mstr_kk

1
僕は固有名詞がたくさん出てくる本が苦手なので、今回はとりあえず読み通した、というくらいの理解にとどまった。しかし、たいへん重要な仕事であることは分かるし、今後参照することになると思う。2013/05/28

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