河出ブックス
路上の全共闘1968

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  • サイズ B6判/ページ数 244p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309624181
  • NDC分類 377.96
  • Cコード C0336

内容説明

全共闘は、学生運動ではなかった。バリケードは世界に開かれた「アジール/混在郷」であり、路上の礫が群衆を自己組織化へと誘い、神田の街は解放区と化した。日大全共闘の当事者がその体験をあえて私的に想起しながら、学生運動ではない「直接自治運動」としての全共闘の経験を来たるべき「反政治/直接自治」の可能性として検証するいままで語られなかった新しい1968論。

目次

序章 想起せよ!とカルチェ・ラタンが囁く
第1章 沸騰する路上の全共闘
第2章 バリケードという「アジール/混在郷」
第3章 神田/礫/路地―群衆が自己組織化する瞬間
第4章 全共闘を誘惑した「政治」
終章 造反有快―直接自治運動をめぐる経験

著者等紹介

三橋俊明[ミハシトシアキ]
1947年、東京神田に生まれる。1973年、「無尽出版会」設立に参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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空箱零士

9
「レールの敷かれた自由」への反発、横柄で暴力的な大学の経営方針、使途不明金問題を背景に発生した日大闘争の始まりから終息までを、当時の闘争参加者の視点から見た回想録。上記のような背景こそあるものの、むしろ著者のように「なんかバリケード組んでたから俺も参加した」というノリで参加した人も珍しくはなく、出入りも自由で強制もなかったなど、いい意味で政治色のない、牧歌的な集まりだったようだ。当初はむしろ世間の同情さえ集めていた彼らの行いが、どんどんと血生臭くなり、最後はイデオロギーに絡め取られていく様が印象的だった。2018/07/14

ステビア

4
快作。造反有快。2014/01/11

JunTHR

2
とにかく楽しかったし、熱かったんだぜ、という個人的体験として日大全共闘を語るのは潔いし、確かにそうだろうと思わせる。日大全共闘が素朴な怒りで団結し、戦っていたことがよく分かる。個人的には大好きな「安田講堂」(中公新書)とクロスする後半が燃えた。2011/06/06

hiroshi0083

1
日大全共闘に参加した著者の回顧録的な一冊。1968年6月11日、日大経済学部前にて全学総決起集会が開催。法学部三号館校舎にバリケードが築かれたこの日から、著者のバリケード生活が始まる。その後の「楽しい」全共闘生活は、9月30日に日大講堂にて開かれた大衆団交まで続く。ところが10月1日、佐藤栄作首相が大衆団交を批判。そこから終わりの見えない全共闘活動が、著者を思想的に追い詰めていく。全共闘活動の当事者だけあって、活動時の率直な気持ちや思想の流れと、そこにリンクする行動がとてもスムーズに描かれている。(続く)2015/05/30

スズキパル

1
日大全共闘の運動に早い段階から身を投じ、大衆団交失敗後の衰退期まで運動を続けた「ノンポリ」学生たる筆者による戦いの記録。バリケードの中での暮らしや人間関係を巡るエピソードも豊富で、読み物としてかなり面白い。当初は大学当局の横暴に対する素朴な反逆だったのが、運動の行き詰まりと共に「セクト」の政治性に絡め取られて行く様子は印象的だった。2013/04/07

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