アヴィニョン五重奏〈3〉コンスタンス―あるいは孤独な務め

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  • サイズ B6判/ページ数 438p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309623139
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

出版社内容情報

ナチス占領下のアヴィニョンの惨状を克明に描きブッカー最終候補となった傑作。美貌の精神科医の周囲に交錯する多くの死と多くの愛。

【著者紹介】
1912~1990。イギリス系植民者の息子としてインドに生まれ、イギリスで育つ。小説『黒い本』『アレクサンドリア四重奏』『アヴィニョン五重奏』、紀行『苦いレモン』、詩集『私だけの国』他。

内容説明

戦争の火蓋が切って落とされる中、「堕落以前のエデン」だったプロヴァンスで最後のひと夏を過ごした若者たちもばらばらになり、それぞれの運命をたどる。ドイツに渡りナチスに傾倒しているというリヴィアのその後は?ヒトラーも狙うテンプル騎士団の秘宝のありかは?多くの死と多くの愛が交錯し、さらなる謎と陰謀の渦巻く第3巻。

著者等紹介

ダレル,ロレンス[ダレル,ロレンス] [Durrell,Lawrence]
1912‐1990。イギリス系植民者の息子としてインドに生まれる。11歳のとき、父の意向でイギリス本国に渡り、カンタベリーの寄宿学校に入学するが、学校の教育が性に合わず退学。個人教授を受けながらケンブリッジ大学の入学試験を試みて失敗する。その後、不動産屋で働いたりナイトクラブでピアノを弾いたりするが定職にはつかない。1935年23歳で、家族とともにギリシア領コルフ島に移住。数年間この島で暮らしてから外交官生活に入り、アテネ、カイロ、アレクサンドリア、ロードス島、コルドバ(アルゼンチン)、ベオグラードなどに滞在する。1938年、小説『黒い本』をパリにて発表。T・S・エリオットやヘンリー・ミラーに絶賛されて作家としての地位を確立する

藤井光[フジイヒカル]
1980年、大阪府高槻市に生まれる。北海道大学文学部卒業。現在同志社大学文学部英文学科助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

35
サイコロの五の目の中心点に当たる巻。前巻で気配が感じられていた戦争が始まってアヴィニョンはナチス・ドイツの占領下となり、登場人物たちは戦争に巻き込まれてばらばらに。その間にも虚と実の境はさらに曖昧になり、しかし残酷な死からは逃れることはできない登場人物たち。彼らの愛と死と再会と、その謎から目が離せませんでした。アヴィニョンからドイツ軍が去り、「町にとっての戦争は終わっ」てこの巻は幕を閉じますが、狂気と死に彩られたその暗い祝宴の空しいこと。背後に回っていた感のあるグノーシス派の主題が再び前に登場して次巻へ。2017/05/10

rinakko

6
素晴らしい読み応え。訳者あとがきによると、五部作の中でも中心的な位置を占める。いよいよ第二次世界大戦へと背景は移り、末期までが怒涛のように描かれる。ナチス・ドイツの進軍、アヴィニョンもまたその弾圧から逃れられなかった。一度はばらばらになった登場人物たちは、戦争の荒波に巻き込まれ、押し流され、邂逅と別離と再会に翻弄される。リヴィアの姉、金髪のコンスタンスの人となりも詳らかとなり、興味深かった。そして書くものと書かれるものの境界は更にぐだぐだと曖昧になって、読んでいく方も翻弄されるが、そこが好みで堪えられない2013/12/16

mejiro

4
物語が一気に加速し、ダイナミックな展開に。戦争が始まり、登場人物たちの人生は変転する。ナチスに占領されたアヴィニョンの荒廃した街並み。ナチスと親独政権の罪過が物語に暗い影を落とす。愛と死が大きなテーマになっている。文章に慣れてきたからか、リンクを楽しめた。2015/01/23

rinakko

3
再読。2021/11/09

Keusuke Sakai

2
アヴィニョンのナチスによる陥落から連合国による奪還まで。これまで登場した人物達の運命に劇的変化が訪れ、3作目にしてクライマックスのような展開。読み応えありでしたが、残り2作はどんな展開になるんでしょうか?2014/07/21

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