アヴィニョン五重奏〈2〉リヴィア―あるいは生きながら埋められて

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  • サイズ B6判/ページ数 304p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309623122
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

物語は、老齢の作家ブランフォードが長年の友人コンスタンスの死を知らされる場面で幕を開ける。彼は、コンスタンスとその妹リヴィアに出会った青春の日々に思いを馳せ、アヴィニョン近郊で過ごした夏の、淡く苦い思い出をたどる。一つの戦争が終わったあとに、あまりに早く次の戦争が迫りつつある、あの夏のプロヴァンス―リヴィアとはいったい誰だったのか?名著『アレクサンドリア四重奏』につづく壮大な物語の迷宮、第2巻。

著者等紹介

ダレル,ロレンス[ダレル,ロレンス] [Durrell,Lawrence]
1912‐1990。1912年、イギリス系植民者の息子としてインドに生まれる。11歳のとき、父の意向でイギリス本国に渡り、カンタベリーの寄宿学校に入学するが、退学。個人教授を受けながらケンブリッジ大学の入学試験を試みて失敗する。その後、不動産屋で働いたりナイトクラブでピアノを弾いたりするが定職にはつかない。1935年23歳で、家族とともにギリシア領コルフ島に移住。数年間この島で暮らしてから外交官生活に入り、アテネ、カイロ、アレクサンドリア、ロードス島、コルドバ(アルゼンチン)、ベオグラードなどに滞在する

藤井光[フジイヒカル]
1980年、大阪府高槻市に生まれる。北海道大学文学部卒業。現在同志社大学文学部英文学科助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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syaori

38
「君の手による、あちこちが軋んだ『ムッシュー』は、他の四冊においてまた練り直される一群の主題を提示するにすぎない」―ブランフォードが創造物サトクリフに言う言葉のとおり、Ⅰで提示された主題が再び登場します。コンスタンスの死によって呼び起こされた記憶を軸に、彼女と彼女の妹リヴィアとの出会いとその夏の思い出。テンプル騎士団、アヴィニョンの城館、こだまのように繰り返しているようで繰り返していない、現実と虚構と過去と未来が一緒になったような世界に翻弄される、その楽しさ。「五の目」になるというこの作品の「務め」とは?2017/05/09

rinakko

5
再読。2021/11/04

rinakko

5
「ムッシュー」の雰囲気を求めているとまたちょっと違うけれど、話はますます面白くなっていく。第一章ののっけから始まる、境界のぐだぐだ感が好き過ぎる。“ベルベットの難問を持つ女と、白鳥の嘴を持つ女”、金髪のコンスタンスと黒髪のリヴィア。姉妹の人となりはとても興味深く、次巻も楽しみで仕方ない(サビーヌの行方ってw)。2013/05/25

mejiro

4
物語の枠がうっすら見えてくる。第二次世界大戦の暗雲が近づいている時期。若者たちの恋と友情と冒険が描かれていて、前巻よりとっつきやすい。ファムファタールな姉妹が印象的。フロイトの精神分析をからかったり、登場人物が別人のようになったり、なかなか混沌としている。サトクリフの戯言やおもしろさがわからないのが残念。 2015/01/22

Keusuke Sakai

1
冒頭いきなりのマトリョーシカのような多重構造の展開に、また1作目を読みかえさねばと思いつつ、結局2作目も最後まで読み進めてしまいました。正直、1作目も振り返りつつ、2作目が終わった時点で混乱の極みなのですが、3作目も早く読みたいと思わせるあたり、一体なんなんでしょうか、この作品は。2013/09/18

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