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奇想コレクション
悪魔の薔薇

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  • サイズ B6判/ページ数 369p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309621999
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

ヴァンパイアに仕える従者の哀しみを綴った「別離」、著者自身が“この作品はわたしの作品の中でもっとも恐ろしいもののひとつ”と語る残酷な怪奇譚「悪魔の薔薇」、異貌のパリを舞台に、死神に魅入られた芸術家たちを描く世界幻想文学賞受賞作「彼女は三(死の女神)」、帝国と錬金術が妖しく絡む「黄金変成」、アラビアン・ナイト風幻想譚「愚者、悪者、やさしい賢者」ほか、全9篇。

著者等紹介

リー,タニス[リー,タニス][Lee,Tanith]
1947年、ロンドン生まれ。「現代のシェヘラザード姫」とも称される作家。1971年、『ドラゴン探索号の冒険』でデビューして以来、英米ファンタジー界の第一線で活躍、その華麗な文体と官能的な物語は根強い人気を誇る。七十近い長篇、二百以上の短篇は、ユーモア・ファンタジー、ゴシック・ホラー、正統派SFなどさまざまで、ジャンルの枠におさまらない

安野玲[アンノレイ]
1963年生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒。翻訳家

市田泉[イチダイズミ]
1966年生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

40
「闇の公子」など耽美な作風で有名なタニス・リーはこの本がお初です。「別離」での老いた美しき吸血鬼の姫への彼女の血によって生き長らえた老従者の少し、背徳的な思慕と姫に使えることになるであろう後継者への嫉妬の描写がしめやかに語られるのでラストの一文の切なさが効いています。表題作はあの病気ですよね・・・。「魔女の二人の恋人」はヒロインの自分中心の陶酔ぶりにウンザリ。「愚者・・・・」は訳あって誑かす側の女性の言い分に賛同します。2013/08/03

かわうそ

28
ファンタジーを読み慣れないせいか耽美で退廃的な情景描写にはどうしても目が上滑りして世界に入り込めない感じになってしまうんだけど、どの作品もストーリーが動き出すと一気に持っていかれた。お気に入りは「別離」「黄金変成」あたり。2015/02/28

キキハル

26
以前から気になっていた本でしたが期待とは違って割とあっさり読み終わってしまいました。耽美風味の大人の童話という感じです。「現代のシェヘラザード姫」と異名をとるのも納得。これは読むよりも語ってもらう方が趣がありそう。戸外でたき火を囲みお酒でも飲みながら。もちろん夜です。臨場感たっぷりに物語られるのはヴァンパイアのお姫様に仕える老僕の話だったり、旅人が乙女をたぶらかして悪魔の薔薇と呼ばれる病を移し狂い死にさせた話だったりの10篇。風が強く吹いて炎が大きく踊るこんな夜には気を付けて。ほらそこに。あなたの後ろに。2011/09/19

星落秋風五丈原

25
登場人物ももちろんだが、文章が美しい。「巴里が若く、ういういしく、うるわしい時代であった」(『魔女のふたりの恋人』)など。美しい悲劇が美しい言葉で誘う夢の世界に導かれる。『愚者、悪者、やさしい賢者』は昔話にありがちな三男が一番賢かったですというパターン。『青い壺の幽霊』は素直になれない女性が愛する人を失ってしまう話と中国の民話壺中天を絡めたファンタジー。2014/11/17

22
奇想コレクションは表紙の絵描きさんは固定だからしょうがないんだけれども、表紙だけ浮いてるような…。青い壺の幽霊と別離がとても面白かった。お耽美な世界を堪能しました。2014/11/26

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