奇想コレクション
失われた探険家

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  • サイズ B6判/ページ数 401p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309621982
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

少女と不気味な訪問者との奇妙な交流を描く表題作をはじめ、「黒い手の呪い」、吸血鬼集団の血の祝祭「血の病」、連続殺人者と女性記者の交渉をミステリー仕立てで綴る「アーノルド・クロンベックの話」、ポストモダン・ゴシックの傑作「マーミリオン」ほか、長靴や蠅が語るブラックな寓話や、美しく歪んだホラーなど、全19篇を収録。

著者等紹介

マグラア,パトリック[マグラア,パトリック][McGrath,Patrick]
1950年、ロンドン生まれ。1988年、短篇集『血のささやき、水のつぶやき』でデビューし、「ポストモダン・ゴシックの旗手」と称される。1989年の『グロテスク』が長篇第一作。第二作『スパイダー』は作者自身の脚本で映画化され(監督デイヴィッド・クローネンバーグ)、話題を集めた。精神科の医師であった父親の影響を強く受けた作風で知られるが、2000年には歴史に題材を取ったゴシック風心理小説、Martha Peakeを出している。ニューヨーク・ロンドン間を往来しながら、英米両国で活躍中

宮脇孝雄[ミヤワキタカオ]
1954年生まれ。早稲田大学政治経済学部在学中よりミステリ、海外文学の翻訳紹介を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

64
途中から身構えながら読んだ。 グロイ話をさらっと。”もっとも信頼できる「信頼できない語り手」”とはそういうことか。 人間よりも、蠅の方が生き生き描かれる。 ポストモダン・ゴシック 奇妙な味わいの短編集。2022/02/26

こばまり

48
「スパイダー」で私を奈落の底に落としたマグラアの、こんな作品集が編まれているとは。表題作が特に気に入った。あとがきで作家の出自を知り、育った環境がその後の世界観を形成するものだとつくづく。新作を書いてほしい。2018/10/06

藤月はな(灯れ松明の火)

42
腐臭、ピグミー、マラリヤ、血液欠乏による吸血、精神分析、圧制的父親、両性具有、そしてカフェオレのように入り混じる、異なる時間。最も信頼できない語り手が紡ぐのは狂った心が構築した理屈か真実か。純真な魂が宿ったとしても朽ちてゆく運命の肉体に囚われたのならば魂は腐りゆく肉体に囚われたままという悍ましさを描いた「天使」、「お巡りさん、こいつです!」を素でいける聖職者の喜劇の「アンブローズ・サイム」、「吾輩は猫である」の長靴版である「長靴の物語」、愚かな父親の愚かな結末、「悪臭」(悪臭=自分の加齢臭じゃ・・)が好き2013/07/29

ライマウ・フレツリー

35
すごいメンツの本シリーズ中でも一人奇想コレクション感高めな本作。フォークナーのミニチュアのような正統派(風←大事)南部物「マーミリオン」に痺れた!2018/02/11

かわうそ

23
グロテスクで残酷だけどどこか上品で優雅な雰囲気が漂う短篇集。特に後半の「信頼できない語り手」連発には痺れた。「監視」「もう一人の精神科医」「マーミリオン」あたりがお気に入り。2014/08/14

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