内容説明
多くの翳りと、そしてそれと同じくらい豊かな光。イタリア詩人たち―生涯愛読した五人の詩人たちをめぐる初期作品集。「翻訳」ウンベルト・サバ詩集―なによりも詩を愛した作家による名訳。「翻訳」ミケランジェロの詩と手紙―帰国後はじめて発表した貴重な翻訳。「翻訳」歌曲のためのナポリ詩集17世紀~19世紀―生き生きとした訳文で甦る民衆の歌。
目次
イタリアの詩人たち(ウンベルト・サバ;ジュゼッペ・ウンガレッティ;エウジェニオ・モンターレ ほか)
ウンベルト・サバ詩集(翻訳)(『若い頃の詩』より;『家と田園と』より;『トリエステとひとりの女』より ほか)
ミケランジェロの詩と手紙(翻訳)
歌曲のためのナポリ詩集十七世紀~十九世紀(翻訳)
感想・レビュー
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watershed
3
妻に きみは、似ている、 若くて、しろい、めんどりに。 風に羽毛が 逆立ち、首を曲げて 水を飲み、土を掻く。 だが、歩くようすは、 きみとおなじ女王の歩調、 悠然と草を渉っていく、 胸を張り、尊大に。 オスよりずっといい。 それは、神様に近い、すべての穏和な動物のすべてのメスと おなじだ、 土 ずっとむかし、 ぼくは楽々と生きていた。土は ゆたかに、花も実も、くれた。 いまは、乾いた、かたい土地をたがやしている。 鍬は、 石ころにあたり、藪につきあたる。もっと深く 掘らなければ。宝を探す人のように。2019/08/17
OHNO Hiroshi
1
ウンベルトサバ 1、ミラノ 須賀敦子訳 石と霧のあいだで、ぼくは 休暇を愉しむ。大聖堂の 広場に来てほっとする。星の かわりに 夜ごと、ことばに灯がともる。 生きることほど、 人生の疲れを癒やしてくれるものは、ない。2015/08/04
蒼1228
0
図書館。2014/08/03