内容説明
社会の本質に視点を置いた松下文学―彼のノンフィクションは安易な客観を否定し事実を確認することの大切さを教える。
目次
第1章 死の機会を逸して
第2章 釧路・大阪・東京
第3章 狼の誕生
第4章 都内非常事態宣言
第5章 虹作戦
第6章 死刑宣告
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まぶぜたろう
13
東アジア反日武装戦線に全く無知だったので読んだ。連合赤軍や中核、革マルらのノンフィクションは陰惨極まりないが、本書は熱く、哀しい。彼らが爆弾闘争に至った若さが痛々しい。彼らのしたことはもちろん許されないが、こんなに純粋に正義を希求できるものかと思う。そしてその結末との齟齬に愕然とする。後味が悪いのは、彼らが逮捕された後の支援者との内ゲバめいた軋轢、そして解説者、山口泉の硬直した「思想」。こうした「総括」こそが悲劇を導いたのではないか。にしても桐島は、ネトウヨが跳梁跋扈する今を一体どう見ていたのだろう。2024/03/19