感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
多聞
1
『夜の香り』がユーモアにあふれていて面白かった。2011/06/04
バーニング
0
長編「女たちの家」と、短編四本。最後に収められていた「夜の香り」がよかった。生活(暮らしという表現のほうがいいかもしれない)のなかに生と死がにじみ出るように交錯していく感じは古井らしくて非常によかった。天ぷらの香りが最初から最後まで、断続的に味わいを出す。最近の古井の小説なんかと比べると、約40年前に書かれた本作は終盤に少し味わいを出し過ぎているようにも思えるが、それも悪くなかった。おなかすいた。2014/07/26