内容説明
美をはらむ恐怖、その香しき世界。突然の過食症。日ごと夜ごと贅肉に包まれ、醜くなってゆく姉に、憎悪さえ抱く私―。日常に芽ばえる静かな狂気を描く表題作他、著者自選の三篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
リッツ
32
再読。セレクションなので中には何度も読んだ作品もあった。時代を感じるが古いと言うより懐かしい。日常に浸食する恐怖。タイトルの贅肉は勿論、どの作品にも食べる事が生活の風景として、不可欠なものとして、とらわれるものとして描かれていて、どの世代の女性を通じて見ても生々しい。そして段々若い頃読んでいた老後の物語が他人事ではなくなってくる。滅入る反面これも読む醍醐味か?2018/09/22
のぼる
11
読友さんにオススメいただいた作品。まだそんなに多くを読んでいませんが、小池さんのこの手の短編、とても好きです。日常に潜む狂気というんでしょうか。自分に近いところで、ひょっとしたら起きてるんじゃないか、自分の身にも起こるんじゃないだろうかと、心臓が少しだけ、いつもより速くドクドクします。2016/06/25
はーこ
5
静かに、ゆるやかに迫る狂気がとても良い。個人的には「どうにかなるさ」が1番ゾッと来た。多分1番有り得そうなストーリーだったからか。あとからじわじわくる怖さ。2015/10/16
chi
1
会いたかった人の収録作品と設定が似すぎでは?でも、読後のちょっとだけゾッとする感じがすきだし読みやすい。2015/08/01
emi
1
老人が主人公の二篇が印象に残った。ひとりが寂しいという決めつけは私も嫌いだ。2013/12/13