内容説明
美をはらむ恐怖、その香しき世界。一枚の写真が呼び起こす、かくも熱く美しき日々…老女流作家の胸に去来する過ぎし時の情景、遠い日のエロスを、あふれるノスタルジーで描く表題作他、著者自選の四篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もりくに
64
小池真理子さんの90年代末の短編集。今回は「ノスタルジー篇」。ノスタルジーと聞くと下世話に、「三丁目の夕日」みたいな時代考証希薄な甘ったるいものが頭に浮かんだりするが、彼女の作品がそんな風になるわけがない。「遠い日の情景」と題した巻末エッセイで、「まだ見ぬ未来よりも、私は自分が足跡を残してきた過去の方に興味がある」と。最も彼女の子供時代に近い情景を描いた作品は、「路地裏の家」だと。でもモデルはなく、周辺の雰囲気、子供たちのやり取り、数々の小物類などに見聞きしたものを。この話は、路地に面した十数軒での話。→2022/06/21
サワコ
2
短編集も着々と読破中。1作目はどこかで読んだことがありました。2016/06/21