感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tatsuhiko
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女の子に心を奪われ、いいように弄ばれ、愚かにも怒りを手紙でぶつけてしまうあたりは、第二次大戦前のフランスに留学していたエジプト人だろうが共感出来てしまう。とは言えフランス?らしくモホセンは意外と上手な口説き文句を繰り出したりしているなと思ったり。その後内向的なロシア人労働者との形而上学的な触れ合いに慰めを見出したりするあたりもとてもよく分かるが、彼に「オリエント」の非実在を宣告してからモホセンはどうするのだろうか。アラブの作家がこれを書いているのである種の有難みはあるが、それ以外にはあまり発見はなかった2016/11/12