出版社内容情報
建築様式の変遷と世界史は連動している。著名な建築物の成り立ちから歴史を見直すと、意外な事実が見えてくる!
内容説明
その建物はなぜ造られたのか?今の場所に建てられた理由は?どうして、その「カタチ」になったのか?ギリシア建築からモダニズム建築まで名だたる建築物から世界史に切り込めば“歴史の必然”が明らかに!
目次
建築は、歴史に「空間」「時間」という視点を与える―はじめに(「寅さん」の舞台はなぜ、柴又帝釈天なのか;満州国・新京の直線美vs柴又の参道 ほか)
帝国の建築は誰のものか―古代の章(歴史に誘導されたパルテノン神殿;「神のため」から「王権の演出装置」へ ほか)
エヴァンゲリオンvs進撃の巨人―中世の章(エヴァンゲリオンを体感させるアーチの力;東西世界に広がったアーチの文明 ほか)
神と張り合う、王たちの宮殿―近世の章(古典主義という新しい建築の創造;宗教改革が生んだ「歪み」=バロックの造形美 ほか)
建築という文明が地球を回るとき―近現代の章(近代はリバイバルが花盛り;リバイバルは郷愁ではない。自己主張である ほか)
著者等紹介
祝田秀全[イワタシュウゼン]
東京出身。歴史学・国際関係論専攻。本郷高等学校講師、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所研究員を経て、聖心女子大学文学部歴史社会学科兼任講師となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
219
なぜあの建物はあの場所にあの設計で建てられたのか? そこには歴史の必然性がある。古代から近現代まで通観する、好奇心を刺激される一冊。古代ローマの建築家ウィトルウィウスが著した現存する最古の建築百科事典にあるオーダー(建築様式)論にて、ドーリア·イオニア·コリント式の意匠を学べたり。初代ローマ皇帝アウグストゥス時代になぜテルマエが作られたか。コロッセウムにはコンクリートが使われた。中世宗教の福音(エヴァンゲリオン)とのつながり。ロココ様式のエカテリーナ宮殿で皇帝に謁見した日本人。など興味深い内容が満載です。2023/01/29
薦渕雅春
21
読書メーターで見かけ、建築も歴史も好きなので図書館で借りてみた。古代ギリシャ、ローマの建築も興味深い。中世ヨーロッパでは建築も宗教と密接な関係があったであろう事は想像がつく。驚きだったのは石造りだとばかり思っていたローマ時代の建造物がローマン・コンクリートと言われるコンクリートで出来ていたこと。ローマ帝国崩壊後の8世紀、地中海世界はビザンツ帝国、アラブ・イスラーム帝国、カロリング朝フランク王国の三大文明圏が分け合う格好になったが、ローマの建築は宗教の違いを超えて、その三大文明圏で連綿と生き続けている、と。2022/08/07
Go Extreme
1
建築は、歴史に空間・時間という視点を与える: 寅さんの舞台はなぜ柴又帝釈天 満州国・新京の直線美vs柴又の参道 帝国の建築は誰のものか―古代の章: 歴史に誘導されたパルテノン神殿 神のため→王権の演出装置 エヴァンゲリオンvs進撃の巨人―中世: エヴァンゲリオンを体感させるアーチの力 東西世界に広がったアーチの文明 神と張り合う、王たちの宮殿―近世: 古典主義という新しい建築の創造 宗教改革が生んだ歪み=バロックの造形美 建築という文明が地球を回るとき―近現代の章: 近代はリバイバルが花盛りー自己主張2022/04/23
tdyskd
0
パルテノン神殿が、世界遺産の保護を奨励するユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の意匠に取り入れられているとは知らなかった。2024/03/26
hazukisuzuki
0
⭐︎2022/12/15