出版社内容情報
米中の二極化が進む今、中国が影響力の強化を狙う地域とは? 欧州はなぜ統一できない? ……その疑問は地政学から解ける!
内容説明
露骨な膨張主義をとる中国、敏感に反応するアメリカ。イギリスのEU離脱や、ウクライナを抑圧するロシアの思惑、イランやパレスチナで揺れる中東情勢…。世界の紛争・摩擦の裏にある原因を「勝者の法則」地政学から解き明かす!
目次
1章 中国大陸の地政学―統一中国は、なぜ膨張政策を進めるのか?
2章 日本周辺国の地政学―東シナ海で中国は何を狙っているのか?
3章 アメリカ・太平洋の地政学―アメリカがいま、中国の封じ込めを開始した理由
4章 ヨーロッパ・ロシアの地政学―イギリスは何を求めてEU離脱を決断したのか?
5章 中東・アフリカの地政学―宗教対立だけではない、中東不安定化の要因
6章 インド・東南アジアの地政学―インドと中国は、なぜ対立するようになったのか?
著者等紹介
内藤博文[ナイトウヒロフミ]
1961年生まれ。大学卒業後、新書系の出版社に勤務。現在は、歴史、地理、世界と日本、文化、娯楽などの分野を得意とするライターとして精力的に執筆を行なう一方、地方で実業にも携わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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巨峰
55
筆者はライターであり、外交官だったり、新聞記者だったり、アカデミックな研究者であったりはなかったようだけど、すごくわかりやすい説明で世界規模で今起こっている事象がどういうところから発生したものかよくわかる。冒頭で内モンゴルじゃなくて、南モンゴルという記述があるあたりでこの著者に信頼感を持った。2022/03/29
金吾
18
題名通り地政学を通して近現代史を書いています。内容は斬新さはありませんが、わかりやすく書かれていているため全体を掴むのにいいと感じました。中国大陸の地政学は面白かったです。2022/07/29
fseigojp
11
アメリカはソ連と冷戦して勝利したが、中国とはどうだろう2021/06/02
tolucky1962
10
自然国境ない国は周辺を従属させて守る。中国は満州,南モンゴル,新彊,チベットを領土とし国境を離す。ソ連対策で米国が支援した中国が経済発展,海洋国家を目指し台湾,尖閣の権益主張。 米国に武装で対抗するキューバにソ連が接近したキューバ危機は日中地政学的に似るという。 自然国境がなく責められたロシアは大戦後東欧共産国で守りを固めたがソ連崩壊。ウクライナらを従属国・盾としたい。今のウクライナ戦争を予測。 島国日本には理解しがたいが各国の動きは地政学が要因となっているという。 2022/04/10
Masaki Iguchi
1
★中国、ロシア、かつてのドイツのように、大陸国家は少しでも国境線を広げようと膨張する。海洋国家は、海を利用して外へ向かってこそ。 ★中国は相当したたかにやっている。歴史に学び、かつて自分たちがやられたことをアレンジして再現しようとしている。海からの包囲網だけでは効果が限られる、というのには頷ける。 ★日本列島〜沖縄諸島〜尖閣諸島〜台湾島は中国を海から囲む円弧。中国にとっては邪魔でしかないから、こじ開ける余地のある尖閣諸島から攻めている。中国に対峙する太平洋側の最前線と考えると日本って重要な位置にいるよね。2022/03/12