出版社内容情報
神社、神前結婚、夏祭りなど、私たちの暮らしに広く関わる神道。日本人はなぜ神道を必要とし、後世に伝えてきたのかがわかる書。
内容説明
しきたり、風習、そしてものの感じ方…。私たちの生活に深くかかわる神道とはそもそも、どのようなものなのか。日本人はなにゆえに神道を必要とし、後世に伝えてきたのか。知られざるこの国の原点をさぐり、明らかにしていく。
目次
プロローグ “神道”を知らずして日本と日本人は見えてこない
1章 神道とは何か―“神の国”はいかに誕生し、根づいてきたか
2章 神々についての知識―日本人の中に生きる“八百万の神”の系譜
3章 時代と共に変わる神道―様々な宗教を受け入れる神道の懐の深さ
4章 神道が日本史に与えた影響―朝廷成立、尊王攘夷…神道が果たした役割とは
5章 さまざまある神社の約束―建物、神職、穢れと祓い…神が降りる地の神秘
6章 神の祭られ方、拝まれ方―祭祀と参拝に込められた知られざる意味とは
7章 冠婚葬祭と年中行事の中の神道―死とは何か?生とは何か?神道の行事が教えるもの
著者等紹介
武光誠[タケミツマコト]
1950年、山口県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。同大学院博士課程修了。文学博士。2019年3月に明治学院大学教授を定年で退職。専攻は日本古代史、歴史哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やじ
18
2003年初版。日本全国どこに行っても必ず神社がある日本。神道は宗教なのか?一体なんなのかが知りたかった。本質がわかりにくい理由は神道が幾度も姿を変えて来たことが挙げられるとの事。また儒教の論理を借りて天皇支配を正当化する形の神道が作られたとも。神と人が力を合わせて稲を育てることによって国の安泰がもたらされること、全ての人間が明るく過ごし、生きとし生けるもの全てが繁栄するのが理想で、その方向に導く人が尊敬されるという考え方。神道は和を重んじる日本人の本質を突いていると思った。2022/12/18
さとし
3
現代において「宗教」と聞くと、何か如何わしいと感じる日本人が多いのではないか。しかし、本書のテーマである神道は、年中行事や冠婚葬祭に広く結びついており、日常生活に溶け込んでいる。つまり「無宗教」と言いながらも知らず知らずのうちに神道を体験し、実践している。本書はそんな神道の歴史や基礎知識を分かりやすく学ぶことができる一冊であった。日本のクリスマスは本来の性格ではなく、神道行事に似た性格に変わっているというのも、神道を身近に感じるきっかけになるのではないかと思った。2020/05/24
Zunda
1
日本神話に則って神道の世界観を解説するというよりは、歴史的経緯からどのように神道が変化・利用されていったかを解説する内容に近いです。日本人にとっての道徳規範として神道を掲げる筆者の主張が目立つのが少し残念な気がしました。2022/10/25
MF
0
身近にある神道が知識としてもより身近に。2023/01/21