出版社内容情報
昔の日本はやっぱり「性におおらか」だった? 時代や身分で大違いだった「日本人のセックス事情」の変遷に驚く本!
内容説明
古来、わが国には「純愛」も「不倫」もなかった。しかし奔放すぎる文化は徐々に変質していく。それはなぜか?興奮必至のSEXクロニクル!
目次
近代百年を除いて、日本人は世界一奔放だった―プロローグ
1章 乱交、よばい、多夫多妻…いにしえより日本は多淫の国だった
2章 「不倫」の二文字がない貴族社会と「男色文化」を興隆させた仏教界
3章 武家の「性」は無粋・不自由になるが庶民はいよいよ奔放だった
4章 徳川幕府の統制もなんのその!江戸の性文化は爛熟をきわめる
5章 明治以降、なぜ日本人は“性の統制”を受け入れたのか
そして、日本人の淫欲はよみがえる―エピローグ
著者等紹介
玉造潤[タマツクリジュン]
1966年、神奈川県生まれ。同志社大学文学部卒。出版社勤務を経て1995年に独立。歴史、衣食住など日常生活や風習の分野のライターとして精力的に取材をこなしつつ、古代から現代までの「日本人の性と文化」の資料集め・執筆をライフワークとする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コウメ
43
江戸時代が終わるまで日本の男女は、精神的な恋愛ありきではなく、「恋愛ののち初キス」「初キスののちセックス」という暗黙の了解もなく、昔の男女は性行為を愉しむうちに情が通じ深い中になった。男女の意識が変わり始めたのは「平安時代」から、異性にモテるためには歌がうまい人がモテるようになり、歌がうまくなるためには教養と感性を持つために学び始める。一夫一婦制になり始めたのも武士が登場してから、元々日本はフリーセックスだったが武士がそれを認めてしまうと出陣してる間に妻が知らない男と家から出ていく可能性があるので反対。2020/11/06
sygreen
4
うーん。所々「ん?」と思うことはあったけど面白かったかな。教科書みたいに高い目線からじゃなくて、こういう俗っぽい目線で歴史をみた方が地続きな感じがして理解深まる。江戸時代のフリーセックス文化は「嘘だ~!」って思うけど、歌舞伎とかで性に奔放な女性出てくるしレイプしてきた男に惚れたりするし、体の関係が先行して有って、そこから情が生まれて恋仲に発展するのはあの時代のスタンダードだったのかな?2021/01/07
ノllロ
0
①古代日本に「複婚制」があったという。6~7世紀、ヤマト王朝は複婚制を活用して豪族を従えていったと。平安時代の藤原氏の摂関政治の成立は「招婿婚(通い婚)」の結果でもある(子は妻の実家=藤原一族のもとで育つ)。6世紀、仏教が渡来するも、戒律はすぐに破られ、僧は妻帯する。貴族でなく庶民を相手にした親鸞も妻帯を選び、浄土真宗で僧侶の妻帯が公然化する。寺院で公然化した男色は貴族社会に広まり、後に武家社会にも広まる。天台宗では「稚児灌頂」が行われた。源頼朝と北条政子の婚姻(12世紀)は古代よりの「接待婚」の名残か。2020/10/16