内容説明
発禁本に憑かれ、発禁本の探求に全身全霊を投入・没頭すること70年。米寿を迎えんとしてなお、探索に執念を燃やしつづける斯界の第一人者・城市郎。他の追随をゆるさない希有のコレクションのなかから、性典、奇書、文芸作品、秘本、淫本、猥本、艶笑・猥談本、猟奇本、変態本などの逸品を公開する。摘発・削除を命じられた個所を、取り諦まりにあたった警察当局の内部文書から復元して、なにがワイセツかを問う。
目次
「談奇党」「古今桃色草紙」花房四郎
性典
奇書
文芸作品
中国の風流小説(『肉蒲団』『聊斎志異』他)
秘本・淫本・猥本
艶笑・艶語・猥談
猟奇・変態・恥奇
遊里・魔窟
性風俗・裸体美
戦後日本の性書
古沢岩美(画集、挿画、挿絵本)
著者等紹介
城市郎[ジョウイチロウ]
1922年、仙台生まれ。発禁本蒐集・研究の第一人者。戦前から現在までに集めた発禁本および関係資料の蔵書は一万数千点におよぶ。蒐集のかたわら執筆活動を精力的に行なう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆかるりら
2
長らく読みたい本リストに入っていた本書。城市郎氏の名前は初めて知ったが、発禁本界隈では有名な方なんですね。昔の本が多く、多少読みにくい所が多々あったがとても興味深く読了。エロい部分はホットパートと表記されてたのが逆に斬新で!いつの時代もこういう本はあったんだなぁ。2022/03/02
MIRACLE
1
発禁本の収集家である筆者が、猥褻関係の発禁本について、書名と内容の一部を12章に分けて、紹介した本(解説は鈴木敏文)。昭和43年刊行の『悪書のすすめ』(山王書房)が底本。ところどころに、入っている筆者のコメントが、面白い。しかし、『発禁本』にくらべ、本書の内容が猥褻関係に偏りすぎているのが、残念だった(正直、面白くない)。2013/04/08
橘 劫
1
米寿を超えられてもなお、秘本の抄録に情熱を燃やす城市郎氏の蔵書の紹介本。内容もまた、文学論としての評価も高い。これほどの本を900円ほどで買えることがまさに稀有な存在である。このような年の召し方を送りたいと思っている。2010/02/17