内容説明
会わずに手紙だけで“性関係”を結びたい―一面識もない２８歳の人妻からの申し出から手紙の交換が始った。手紙の上だけで成立した性の関係、それは夢の世界であり、性の極致ともいうべき快楽ゲームだった。人妻の手紙は、オナニーをしながら手紙を書いている様子から、夫とのセックスの赤裸々な描写へと回を追うごとに濃密度を増し、みだらになっていく…。
目次
１ 翔んだ人妻―快楽ゲームの始まり
２ もっと大胆に、もっとみだらに―極彩色の痴夢を求めて
３ 燃え上がる欲情―見られる愉楽のなかで
４ 欲望ははてしなく―ふたつの快楽の間で
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
15
一主婦と趣味人との往復書簡。ネットも携帯も配達の時間指定もない昭和５０年代。簡便かつ即物的な現在とは異なり、一手間も二手間もかかるが、想像力に委ねられた高尚な快楽があった。卑近な風俗は記録に残されにくく、歴史の隙間からこぼれがち。その意味で、本書の意義は思った以上に大きい。2019/12/17
