河出文庫<br> 江戸の音

河出文庫
江戸の音

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  • サイズ 文庫判/ページ数 205p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784309473383
  • NDC分類 768
  • Cコード C0121

内容説明

伽羅の香と毛氈の緋色、遊女の踊りと淫なる声、そこに響き渡った三味線の音色が切り拓いたものはなんだったのか…?アジア、中国、ヨーロッパを見据え、江戸に越境したモダニズムの淵源を、音楽の変客を通し地球規模で探る、近世文化論の傑作。江戸文化の根幹に存在する音曲の問題を自在に展開した名著の待望の文庫化。特別対談=「江戸音曲の広がり」(武満徹)。

目次

第1章 三味線と越境するモダニズム
第2章 歌舞伎または夢の群舞
第3章 「対論=武満徹」江戸音曲の広がり
第4章 伝播と涵養、花開く技法

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshi41101

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外国に日本的なるものとは何かということを説明するときに感じる葛藤、どこまでが伝統か?どの地域の伝統をさすのか?いま我々が残したい継承したいと思うものが伝統なのか?アジア的なるものと日本的なるものとの境界はなんなのか?という田中氏の問いは難しい。日本の文化ってけっこうローカルで多様だ。外国の友人に日本のお土産を考えるときなんかこの葛藤が身近になる。尚、すこし感化されたこんど箏の邦楽を聴きに行くことにした。2010/09/09

たらら

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メロディーではなく音色を求める三味線のサワリ、破手。どこまでも風の音に近づく尺八。遠くから聞こえてくることを前提としたかのよな木遣り。そこには始まりも終わりもなく、流れにまかせて気付かないうちに曲がっていく路地のような日本の音文化があるのかもしれない……論証前の思い付きにすぎないが、江戸の音風景を想像させる指摘多数。時空間を想像する力量はさすが。2010/05/31

NyanNyanShinji

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著者の専門分野の国文学の視点から江戸時代の音楽を綴っている。お国の歌舞伎踊りなど初期の歌舞伎には、香を焚きしめた袖を振る事で、観客は音楽と舞と香りを同時に楽しんだのでは無いかとの仮説が面白かった。スクリャービンが目指した、音と匂いと舞踊の統合に近いものを感じた。あとは武満徹と著者との対談が白眉。特に武満が日本の伝統音楽に背を向けていたのだが、文楽の野澤喜左衛門の太棹三味線を聴いて衝撃を受けて考えを改めたとの発言にグッと来た。2021/11/23

bittersweet symphony

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著者は法政大学社会学部教授。以前から気になっていた学者のひとりですが、今回が正式な著作は初めてです(NHK人間大学のテキスト「山東京伝と江戸のメディア」は読んでいますが)。テーマは江戸時代を中心とした日本の音楽の有りよう、こういうテーマの本にありがちだと思うのですが、こちらのインフォーマルな音楽とあちらのフォーマルな音楽を比較して語る部分が多くてそれはちゃんと比較していることにならんだろうと思ってしまいますね。2005/10/30

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