内容説明
歴代42人の王妃たちは、陰に陽に、時には王以上に英国を動かしてきたと同時に、良妻あり、じゃじゃ馬あり、多情あり、果ては夫殺しまでありと“物語”には事欠かない。中でも興味深い16人にスポットを当て、王や愛人たちとの人間模様、政治や歴史との関わりなど、多彩なエピソードを織りまぜ“王妃たちの英国史”の知られざる面白さを紹介する歴史エッセイ。
目次
皇后マティルダを追い払ったスティーヴン王妃マティルダ
神の怒りに対決した女ヘンリー二世妃エリナー
フランスの雌狼エドワード二世妃イザベル
納戸係と密かに再婚したヘンリー五世妃キャサリン
赤いばらの女王ヘンリー六世妃マーガレット〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AKI
13
面白かった。イギリスの王と王妃の方々、それぞれ1人1冊の物語が出来上がるようなエピソード満載の、良くも悪くも魅力的な面々。ただ同じ名前の人達が多すぎて、読んでいて??となる事も(笑)イギリスの王妃を取り上げた書籍が少ないので、だれかにもっと掘り下げて小説書いて欲しいと願ってしまう。「英国マザーグース物語」に出てきたアレクサンドラ皇太子妃の美しいお写真も掲載されていて嬉しくなった。それにしても夫のエドワード7世、101人に及ぶ女性関係って…→2019/02/28
viola
9
内容からして必然的に話が被るのだけれど、それでもかなり面白い。森氏の歴史関連本って、どこまでが史実なのかも書いてくれているのがいいのです。愛人の数は凄まじくても、認知された庶子だけで14人もいようとも、やっぱりチャールズ二世の変に男前なところが好き。エドワード二世の肛門に焼き串は作り話かと思っていたら、史実だそう。アン・ブーリンは、仰る通り、結婚してなかったらなぜ姦通罪に問えるのか?チャールズ皇太子が即位したら、チャールズ三世なんですね。ヘンリー五世妃キャサリンの幼少期の悲惨な境遇は初耳でした。2012/12/17
Mana
5
著者の英国王室史話から王妃に関するエピソードを抽出した感じかな。読んでて丸々同じ文章が出てきたし。そして、王妃を中心に据えることで著者の控えめな女性が美徳、王妃が政治に口を出すとロクな事にならないという旧態依然とした女性観が感じられ、うーん。2018/10/27
更紗姫
5
巻末の「国王および王妃(婿)一覧表」が詳しくて面白い。本人/配偶者の生没・結婚年も記載してあるのでEXCELで表計算すると、何歳の花婿・花嫁だったのかがわかる。(花嫁が)10~14歳はまだよしとして、リチャードⅡの2番目の王妃は7歳だった。ほぼ全てが政略結婚で、皆さん大変だったろうな。圧倒的にイングランド以外の出身者が多く、国を背負ってのお輿入れに相応の覚悟あっての事だろう。エドワードⅦ妃アレグザンドラの美貌はとびぬけているが、その旦那は(記録に残るだけで)101人と関係したというから、いやはやなんとも。2014/05/05
びっぐすとん
3
図書館本。どこの国でもお妃は大変だ。どーして男ってこうなんだろ?まぁ中には強かな奥様もいるけど。言葉も文化も違う異国に嫁ぐだけでも大変なのに、夫の愛人に終生悩まされる。ヘンリー8世なんて女性の敵!。こんな身勝手な人が一国の王なんて!西洋は名前の種類が少ないから読んでて混乱する。「えっ?これはどのキャサリン?」みたいなのばかり・・。親子三代同じ名前なんて混乱しないの?キラキラネームの真反対もわかりづらい。個性を主張する人たちなのに名前は没個性的。下世話だけど庶民には気になる、面白い話だった。2016/05/29