内容説明
燦然とかがやく中尊寺金色堂や「夏草やつわものどもが夢の跡」の句で知られる奥州平泉。そこに、戦乱をくぐりぬけ、京都につぐ第二の都市と独自の黄金文化を築いた奥州藤原氏。だが、藤原氏は四代、百二十年でついえた。藤原氏はぜ栄え、なぜ滅んだのか。さまざまなエピソードで、奥州藤原氏のドラマチックな興亡の歴史と黄金に支えられた平泉文化を浮きぼりにする。
目次
第1章 奥州の戦乱
第2章 藤原清衡
第3章 藤原基衡
第4章 藤原秀衡
第5章 平泉にかかわる人びと
第6章 平泉の文化と暮らし
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かわかみ
4
1993年発行と旧い本ゆえ、今では覆された学説も含まれているかも知れないがわかりやすかった。九州は外国との窓口として古代から畿内の政権も重視してきたのに対して奥州は半ば放任されてきた傾向もあったのだろう。しかし、金の産地であることと北上川を利用した水運による交易により、経済的なポテンシャルは大きかった。平泉は京都に次ぐくらいに栄えた都市だったという。反面この地は豪族間および一族内の争いが多く前九年、後三年の役も然りだった。頼朝に対峙した藤原泰衡の滅亡は後世の小田原北条氏のそれを思い起こさせるものがある。2022/10/09
Yoshiyuki Kobuna
2
平安時代から鎌倉時代の日本史の流れは、奥州藤原氏というある種の傍観者としてのフィルターを通すと解りやすくなるように思う。出版時期を考えると、「炎立つ」に当て込んだものだろうか。2015/06/23