内容説明
新しい視点から中国史を再構成し、明代を中心に民族の意識を決定したものを探る。
目次
北と南の文化論
中国的支配者の原理
紫禁城の日々
反乱と革命の土壌
都市と農村
文化の諸相
東洋的「婦道」のすすめ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うまのすけ
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古い(原著は1976年)がとても良い。珍しい明代中心の中国史。南北対立や徳治主義など、近世中国を理解するためのエッセンスが詰め込まれている。著者は内藤湖南の薫陶を受けた満州語の権威(『宦官』だけの人じゃない)。策彦・何良俊ら個性的な人物が残した史料からの引用が印象的。まさに史料をして語らせている。宮婢の変(嘉靖帝が巻き込まれた)や秦淮の妓院など、トリビア満載。2017/07/31
rbyawa
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シリーズ初巻がオリエントで、順番に読み進めていくつもりだったので誤解していたのだが、突然2巻が中世(明代はさすがにそれでいいと思うんだけど近代っておい;)だったので驚いたが、要は民衆の側から書こうとするとこの時代になってしまうのか、まあ、史書がある分それ以外が未開拓な面はないでもないからな中国。皇帝の国で文を重んじる国で多分当人たちもそう認識していると思うのだが、だが個人的には国を動かすのは常に農民だと傍目には思っている、当時の塩の密売や各地のファッション風俗の違い、法律の歴史、初心者向けじゃないねこれ。2012/03/16
MIRACLE
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2点(5点満点)。中国文化の性格を明代に焦点をあてて叙述した本。シリーズが「生活の世界歴史」であるため、政治史でないことに注意が必要だ。明を選んだ理由は、漢民族王朝の治下で、中国色が鮮明だからだ。中国の政治体制を検討した「中国的支配者の原理」の章は必読。それ以外は事実の羅列という文化史の退屈な面が多く、機械的な読書になってしまった。2012/03/06