内容説明
古今東西にわたる性の人類学。多様、多形、変換可能な性のモデルの探求。いよいよ新しい生命の学。
目次
解題 浄のセクソロジー
第1部 淫書の効用―論文集成(月下氷人―系図紛乱の話;婦人(おんな)を〓童(わかしゅ)に代用せしこと
千人切りの話
淫書の効用
婦人の腹中の瘡を治した話
樟柳神とは何ぞ
「摩羅考」について
人魚の話
奇異の神罰
鳥を食うて王になった話)
第2部 友愛としての同性愛―岩田準一宛書簡より(浄愛と不浄愛、粘菌の生態、幻像、その他;直江兼続と上杉景勝、大若衆のこと、その他;カゲロウとカゲマ、御座直し、『弘法大師一巻之書』、その他;ちご石、北条綱成、稚児の谷落とし、「思いざし」、その他;女の後庭犯すこと、トルコ風呂、アナバの猫、その他;口碑の猥雑さ、化け物譚、腹上死、柳田批判、その他)
感想・レビュー
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厩戸皇子そっくりおじさん・寺
32
凄いものを読んだ!という感想。無類に面白い。博覧強記・南方熊楠の古今東西下ネタエロネタ学問集。半分は江戸川乱歩の親友で男色研究家の岩田準一との「男色談義」文通の返事である。岩田は乱歩の勧めで熊楠に『男色考』を連載した経緯を語ったと注釈にある。こういう形で熊楠と乱歩に接点があったのだなぁ。近親相姦を論じた『月下氷人』、チ●コの呼称の考証『「摩羅考」について』、宦官や半陰陽の話『鳥を食うて王になった話』等等、驚愕残酷下品な逸話のオンパレードだが、絶妙に明るいのは熊楠の持ち前の明るさ正しさからだろう。2015/01/10
広中錫
1
+82014/01/04