内容説明
文化の海・地中海への誘い。学際的なエッセイの醍醐味。当代一流の執筆陣が縦横に書き下した地中海世界の素顔。
目次
バルカン半島(古代ルーマニアの旅;黒海のギリシア人植民市 ほか)
ギリシア(ミノア文明の崩壊;エーゲ文明期におけるタコ;セイレンの歌とオデュッセウス ほか)
トルコ・イラン・シルクロード(クニドスの盛衰;サンタクロースと地中海 ほか)
シリアとその周辺(地中海文明としてのシリア;東方の女王ベレニケ ほか)
エジプト(美女ヘレネとエジプト;ハトシェプスト女王葬祭殿 ほか)
北アフリカ(北アフリカの小ローマ;トリポリ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
1
歴史学者45人のエッセイ。少々古いがなかなか。幾人かが、最近NHK→ネットで話題になったオウィディウスの『恋の手ほどき』(体位や性器を絶叫する劇)について言及している。彼は皇帝アウグストゥスに追放されるんだよな-。「1762年、修道士パイシイは『スラブ民族・ブルガリア人の歴史』なる著作を出版する。これがブルガリア・ルネッサンス運動の精神的支柱となり民族意識高揚の第一歩をしるすことになる」2014/04/20
wei xian tiang
0
多くの筆者の手になるエッセイ集。どの稿も面白いが、キリスト教とイスラームを混淆したような異端も異端、アラウィー派が気になる。どの位異端かというと巡礼や喜捨を否定していたり、かのガザーリーが神の敵としてアラウィー派撲滅を叫んでいたほど。この少数派がかつてのアラブ民族主義の要の一つであるシリアの政権を握っている(た)のだから、一口にイスラム世界、アラブ諸国といってもわからないものである。2014/05/13