河出文庫<br> 世界の歴史〈10〉西域

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河出文庫
世界の歴史〈10〉西域

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  • サイズ 文庫判/ページ数 377,/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784309471693
  • NDC分類 209
  • Cコード C0122

内容説明

シルクロードをめぐる興亡史。砂漠に消えたオアシス諸国家を探り、初めて世界史の空白を埋めた西域の画期的通史。

目次

砂漠とオアシス
西域探検時代
砂に埋もれた記録
西域の夜明け
シルク・ロードの開拓
遊牧民族の活動
唐とサラセン
トルキスタンの出現
モンゴル族の世紀
ティムール帝国
英雄の子孫たち

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hiroshi

5
高度3千㍍のパミール高原から天山・崑崙・カラコルム・ヒンドゥークシュ等7~8千㍍の主峰をもつ大山脈が四方に分岐している。この高原を境に東西にトルキスタンがある。ここが西域だ。大山脈に挟まれ湿った空気がないので降水量が少ない。だが高山の氷河や積雪が多くの海に繋がらない河川を生む。河川がなくてもカレーズにより水を引き、各地にオアシスが点在している。この西方諸文明の影響を受けた東西トルキスタンの農耕民族と、その周りに取り巻く遊牧民族を見ていく本。16世紀に東洋航路による貿易が発達して西域が廃れる迄を中心とする。2023/05/02

ゆったま

4
西域の歴史についての概観と言っていいかもしれない。総合的な「世界史」の文脈の中で、西域の独自性をいかに出していくか、で苦心した感が見られる。ただ哲学、宗教、芸術などの文化が、結局はヨーロッパ、中国、イスラム、インド、とそれぞれの世界の中だけで語られがちなのに対し、それらをつなぐ「西域」の歴史や人々の暮らしをクローズアップしていくことで、デリダの「他の岬」ではないが、それらの文化をより大きな「世界」の文脈の中に開いていくことができるようにも思う。この本は未だ端緒かもしれないが、西域の存在感は十分感じられる。2020/02/16

フェイ

3
中公文庫の「西域とイスラム」を読んでいたため、本書を読む必要はないと思ったが、河出世界の歴史シリーズ完全読破には必要と考えて読んだ。 内容としては、シルクロードとその舞台となったトルキスタンの歴史といっていいだろう。このため、シルクロードを知りたい人にお勧めする。中公文庫に比べると、ヘディンを筆頭とする西域が発掘されていく過程を情熱的に語るのはあちらのほうが上だが、時代を追って歴史を知る意味ではこちらのほうが上と感じる。2015/10/05

牧神の午後

2
東西の交差点といえば聞こえはいいけど、両方からの影響を受けざるをえなくって、かといって東西があまりに強いから(誤解を恐れずにいえば)独立した物語になりにくい。したがってティムールやモンゴルの一部以外は大いに駆け足で本巻で1000年以上経過させるというのは、なんたることか。でも実際そうなんだよなぁ、と。ため息。2019/07/02

MIRACLE

0
中央アジアの歴史、東西交通、文化交流について、中国側からの叙述(=西域)を中心にまとめた一般向けの本。著者は中央アジアという枠に、人名、地名、事件を年代順に収めていくという手法をとっている。そのため、固有名詞が多いわりに、中央アジアについての本質的な理解にはほど遠い。文字を追うのがやっとである。むしろ、松田寿男『アジアの歴史』の方が優れている(こちらには、方法論がある)。なお、文庫版は索引をあらたに作る一方、元版の「あとがき」を削っている。2015/12/05

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