内容説明
ほぼ百年にわたって絵に画いたような企業城下町だった釜石、八幡、室蘭などの都市は、城主にあっさり見捨てられようとしている。城下町の住民にとっては死活問題だが、新日鉄にとっては体制強化のひとつの施策にすぎない。しかいそこに住むひとたちにとっては企業が去ってもたくましく生き続けなければならない。産業構造の“大転換”に揺れ動く企業城下町釜石の姿を通し近代製鉄百年の歴史を問う。
目次
黄金の日々
石をもて追わるるごとく
鉱山の友子同盟
もうひとつの戦争
鉄と魚
大形工場の終焉
黄昏の街で
そして7年後、釜石の不安