内容説明
氷点下の雪山、テントから1キロ半も離れた場所で、登山チーム9名の凄惨な死体が発見された。みな衣服や靴を脱ぎ、頭蓋骨折などの重傷、一人は舌を喪失。遺体からは異常な濃度の放射能が検出。その最終報告書は「未知の不可抗力によって死亡」と語るのみ―。冷戦下ソビエトで起こった世界的未解決遭難怪死事件の全貌と真相を描く、衝撃のノンフィクション!
目次
プロローグ 一九五九年二月ソ連ウラル山脈北部
二〇一二年
一九五九年一月二三日
一九五九年二月
二〇一〇年
一九五九年一月二四日
一九五九年二月
二〇一二年
二〇一二年
一九五九年一月二五日
一九五九年二月
二〇一二年
一九五九年一月二五~二六日
一九五九年二月
二〇一二年
一九五九年一月二六~二八日
一九五九年二~三月
二〇一二年
一九五九年一月二八日~二月一日
一九五九年三月
二〇一二年
一九五九年三月
二〇一二年
一九五九年三~五月
二〇一二年
一九五九年五月
二〇一三年
二〇一三年
著者等紹介
アイカー,ドニー[アイカー,ドニー] [Eichar,Donnie]
フロリダ生まれ。映画・テレビの監督・製作で知られる。新しいところでは、MTVの画期的ドキュメンタリー・シリーズThe Buried Lifeを製作。カリフォルニア州マリブ在住
安原和見[ヤスハラカズミ]
翻訳家。鹿児島県生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かぷち
79
1959年ソ連の雪山で9人の男女が不可解な死を遂げた。ノンフィクションを読む理由としてはネタに興味があるのは大前提として、他の人の目線を知ることができ書き手の魂に触れられるから。p100,177に記述してあるように、著者自身が何故この謎にそこまで惹きつけられ解明したいのか納得の行く答えを持っていないので、当然こちらにもその熱が伝わらず苦しい。事件自体の持つ圧倒的な求心力の前に全ては霞み、純粋に知りたいという想いが執念へと変貌し、周囲の人々を突き動かして行く様子は訴えるものが有り、そこをもっと読みたかった。2024/01/22
Kanonlicht
40
1959年にソ連のウラル山脈の雪原で学生トレッキンググループの一行が不審死を遂げたディアトロフ峠事件。ドキュメンタリー映画監督である著者が、中途離脱したため唯一の生存者となったメンバーを含む関係者への取材と、真冬の事件現場に自ら足を運び得た情報をもとに記したノンフィクション。死地に至るまでの一行の道程、行方不明となった彼らの捜索と遺体発見後の捜査、そして著者による取材と、3つの時系列が平行して進む構成が見事。ラストに描かれる事件当日の再現は、まさにこれが真相だと信じたくなるリアリティがある。2024/02/20
GM職員
25
アメリカのドキュメンタリー映像作家が、大学生登山グループ9名が犠牲となった『ディアトロフ峠』の真相に迫ろうとするノンフィクション。 有名な謎だというのに、実は読メで単行本の感想を見るまで知らなかったので、とても新鮮に楽しんだ。 もはや何が起こったのか知ることはできない過去の出来事に興味を抱いた以上、現地に行って体験してみるという姿勢は好ましい。ロシア語資料の読み込みが足りなかったのはお粗末だが(苦笑)。 これが真相だと言い切ることはできないけど、説得力を持った仮説のひとつ─とは言えるんじゃないかな。2024/02/25
Satoshi
13
有名な遭難事件であるディアトロフ峠事件。殺人事件からオカルトまで様々な論説がある。本書は2010年代に現地取材と科学的な調査を経て、「超低周波音」が原因であるという結論に導かれた。その取材過程と事件当時の時系列を交互に記しているのが特徴的な作り。意図的にそのようにしたのだろうが、読みにくい。2023/11/03
YUMINSU
11
1959年冷戦下のソビエト、大学生の登山チーム9名の凄惨な死体が雪山で発見された未解決遭難怪死事件『ディアトロフ峠事件』の真相に迫るノンフィクション。事件から50年以上を経た2012年にアメリカ人ドキュメンタリー映画作家が現地を訪れ、関係者に話を聞くだけでなく事件現場となった雪山を実際に登山し検証する。1959年と2012〜3年交互に語られる構成が臨場感と緊張感があって読み進め易かった。2024/02/22